the walking dead

□怒らせたら大変だ
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「ダリルって女の子とにゃんにゃんしたことある?」


は?という、顔面で人を殺せるんではないだろうかと錯覚してしまいそうな目つきで私を見た。怖い。


「う、だってダリルってイケメンだし、体つきも素敵だし、不器用な優しさにキュンキュンするし、モテない要素がないじゃない?だからそれらを活かして何人の女の子とにゃんにゃんしてきたんだろうかと」


「人をチャラ男みたいに言うんじゃねぇ」


そんなつもりはなかったけど、そろそろ本気で怒られそうだからやめとこう。
好奇心で彼の恋愛歴を探ってみようかと思ったけれど、中々手強い。謎大きダリルくん。

そんな事を考えていたら、キッ とまた あの鋭い眼光を私に向けてきたもんだから彼はエスパーなのかな?と本気で思った。思わず彼に向かって拍手をすると、ちっと舌打ちをたててスタスタ先に歩いていってしまった。

あちゃあ、怒らせちゃったかな?私も慌てて彼を追いかけようと少し駆け出した時に、木の横からぬっと手が伸びてきて口を塞がれ両手を後ろに回され拘束されてしまった。

嫌な汗が出てきて、ダリルに助けを呼びたくても口を塞がれてるから声も出せない。どうしよう。


すると、優しめに木へ背中を押し当てられ、拘束された両手を頭の上へ持ってかれる。

そしてその人物の顔を見て、私は安堵の息をもらした。


「ダリルか〜、良かったぁ。びっくりした。」


「…良かったな。俺で」


「うん、よかっ…ふぇ!」


な、なん、なんで、彼は私のお胸をもみもみしているのでしょうか。先程とは違う汗が出てきて、カミカミながらも彼の名前を呼ぶけど、特に返事はなくそのまま胸をもまれ続ける。


「ねぇ、だ、だり、る?」


「にゃーにゃーだがなんだか知らねぇけど、俺は認めた相手にしかしねぇ」


「え!それって言い方変えたら私の事好…ちょっ!ま、まって!ディクソン氏!!」


彼を怒らせたら大変だ。私、身をもって知りました。
ついでに彼の気持ちも知れたので結果オーライかしら。




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