鬼滅の刃〜if(もし)の世界〜

□かまぼこ隊と氷使いの狐お嬢(かまぼこ隊+主人公)
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炭治郎と、桜雪が結ばれ、恋仲となって付き合うようになってから数日が経過した。

久しぶりに、炭治郎・善逸・伊之助・桜雪・4人の鬼殺隊同期生たちに一件の任務が舞い降りた。

場所は、南南東の山間部周辺で、ここ数日で、鬼の出没、住民の失踪等が相次いでいるとの事。

桜雪の雰囲気は、以前より柔らかくなったとは言え、彼女は、相変わらず狐の半面を付けている。

『……なぁ、炭治郎…?』

『…?どうした?善逸。』

桜雪の雰囲気がいつもと違う事に、戸惑いを見せる善逸は、炭治郎に問う。

『…何か…、桜雪ちゃんの雰囲気、いつもと違わないか?……なんて言うか、いつもみたいに……、悲しそうで、寂しそうで……、逆に……、威圧感っぽい『音』がしなくなったと言うか……、今まで俺にも、あまり聞こえずらかった『優しくて澄んだ音』に変わったような……。……もしかして、炭治郎……、この前の任務の時、何かあったのか?』

少し不信そうな表情で、善逸は炭治郎を見る。

『まあ、……『あった』は、あったぞ。』

炭治郎は、苦笑いで善逸に言うと、善逸は、『はぁぁぁあ!!?』と、お得意の『変顔(お怒りモード)』で、炭治郎に掴みかかった。

『えっ!?えっ!?何、何??炭治郎!!一体、どういう事!?桜雪ちゃんと!!……桜雪ちゃんと、………一体何したんだよっ!!?』

『お、落ち着けよ、善逸。…ま、まぁ、話せば長くなるんだよ…。追々話すから、とにかく、今は任務に向かうぞ!』

『変顔(お怒りモード)』の善逸を宥めつつ、炭治郎は、任務の為、歩みを進めた。

ふと、炭治郎は、伊之助に視線を向けると、伊之助は、相変わらず、桜雪に『氷女』だの『狐女』だのと、勝手にあだ名を付けられ、挑発を煽るように言葉を投げかけている。

伊之助の隣を、無言で歩く桜雪は、『ハイハイ、勝負なら任務が終わってからにしましょうね。』と、言うように軽く伊之助の挑発を躱している。

桜雪の表情は、狐の半面で、読めないが、炭治郎の嗅覚には、確実に以前よりも『嫌悪感』の『匂い』は、しなくなっていた。

暫くして、一行は、山の麓に辿り着き、『とりあえず休憩をしよう』と言うことになり、拓けた場所に腰を下ろし、体を休めた。

炭治郎、善逸、伊之助は、3人並んで握り飯を食べながら雑談をしていた。
(※伊之助に限っては、猛スピードで握り飯を頬張っていると言った方がいいのだろうが)

そんな中、桜雪は、3人とは少し離れた場所で、切り株に座り、いつものように大皿いっぱいの氷を口にしていた。

『〜〜〜♪(……うん、やっぱり氷は、美味しい…。)』

その桜雪の感情を『匂い』と、『音』で、感じ取っていた炭治郎と、善逸。

『……炭治郎。いつも思うんだけどさ、桜雪ちゃんって、どうしていつも俺たちと離れて休憩するんだろうな?しかも、あんな大皿の氷を食べている時だけ『音』が変わるんだよ…。『安心する』…って。』

『……ああ、確かにな……。いくら夏とは言え、身体が心配だな。……女の子だし……。……でも、桜雪なりの『事情』があるんだよ、……きっと…。』

『……そう、……だよな。』

2人は、心配そうに桜雪を心配しては見つめる。

当の本人は、そんな2人の心中などお構いなしに、氷を頬張り食べ続けていた。
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