海賊世界を馬鹿が駆ける

□四話 怒る風
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「……寝ちゃったか……ノジ……!?」


私は驚いた、壊した筈の家具等がある程度直っている事に

そして何より……



「よし、今日のシメは蜜柑入り白ワインゼリーで決定だな♪」


見知らぬ男がこの家で当たり前のように料理している事に!


「おっ、目覚めた?」


「あ、あんた誰なの?」


当然の疑問だ、久しぶりに帰った実家に見知らぬ男がいるんだもん

しかも料理までして


「俺はノジコさんにお世話になってる日暮春一といいやす。どうぞ宜しくお願いたしますだ」


シュンイチと名乗った男は土下座をしてきた


「いや、ちょっと、頭上げて……」


「奉貢等を納めてるとは言え、ノジコさんには命を救って頂いた貸しがある上居候させて貰ってます!申し訳ございません!!」ガンッ!


「いや、だから頭を……」


頭、床にぶつけ始めたよ……

何なのこの人!?


「と、取り敢えずその敬語止めて貰える?何か妙な違和感が……」


「あ、そう?なら止めるよ」


「って切り替え早いわっ!」


「いや、なるべく丁寧に説明しようって色々考えてたんだけど……いざとなったら頭テンパって変なキャラになってた!」


ほ、ホント何者……?


「改めて……春一です。怪我人兼、居候兼、主夫やってます」


「私はナミ航海師よ……それよりあんた怪我人って……」


「腹を切られた上に海に落ちて流されたんだ……ホレ」


腹に巻かれた包帯をずらし、縫われた痛々しい傷痕を見せる


「ノジコさんが見つけるのが遅かったら浜辺で水死体になってたな♪」


「普通は海に落ちてる時点で死んでるわよ……」


悪い奴では無さそうだ……

……ただどっか抜けてるけど


「んを?今何か言った?」


「い、言ってないわよ!」


その癖妙に鋭い





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