海賊世界を馬鹿が駆ける

□一話 韋駄天の二つ名
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誰だって命の危機にはこうなるでしょ?(なるかボケェ!!)





海賊世界を馬鹿が駆ける












あえて言おう…

「誰だ貴様らぁっ!?名を名乗れいぃ!!」


現在、俺、春一は何故かデッカイ船のマストの頂点にしがみついています!


「あん?人に名前を聞くときは自分からって教わらなかったか小僧?」


デッカイ髭爺さんがこっちを変な目で見る


「おうよ、だがしか〜し!!爺ちゃんに『ヤバイ時にはあえて名乗るな!』と言われたから俺からは名乗らん!!」


ビシィッと指を爺さんに突き立てる


「グララララッ!面白い小僧だな!おい、降りて来い、別に取って食いはしねぇよ」


「……いや……実はビックリし過ぎて筋肉痙攣起こして足が離れなくて……」


頭にデッカイ漫画汗を浮かべる春一


「……お前馬鹿か……?」


「馬鹿言うな!!……あっ……」


馬鹿発言に勢いよく突っ込みを入れる、するとマストから両足が外れ……


真っ逆さまに!!


「い、いやぁぁぁぁぁぁあっ!!」


(死ぬ!この高さから落ちたら死ぬ!!て、抵抗せねば!!)


体を捻り、頭を上にし足から落ちるように体制を整える

こう見えて武術経験者な春一は受け身を取って怪我を免れようと考えたのだ


(受け身を取れば……死にはしない筈だ!!)


大怪我を覚悟したその時







ドンッ!!







「……ふえっ?」


『なっ!?』


春一は何と床から10m程の場所に立っているのである

春一を助けようと下に集まった皆も目を丸くしていた


「何コレ?……アクリル板でもあんの!?」


「……能力者か……?」


ポツリと誰かが呟いた


「……能力者って何だ?」


「惚けるな!空から落ちて来たし今も浮いてやがる!能力者以外の何だって言うんだ!!」


「ちょい待ち!空から落ちて来たって俺がか?穴に落ちて何で空に行くんだ!?」


「てめっ……!」


「止めねぇかっ!!!」


ビリビリと大気が震える程のデカイ声

二人の言い争いを止めたのは爺さんだった


「少し落ち着け……小僧、真面目な話しがしたい。降りて来れるか?」


「……どうやって降りれば良いんでせうか?」


「自分で何とかしろ」


「んな無茶な……」


と言いつつも、足を動かしこの足場が何処まであるかを調べる

その結果、この謎の足場は足の裏側に僅かにしか無いことが判明した


(元々板が有るわけじゃねぇな……俺の足の形ピッタリで、偶然そこにある訳無い……まさか俺が作ったのか?)


普段使わない頭をフル回転させ答えを探し出す


(……やって見るか……)


足をすっと前に進める


(この足の先には足場がある……足場がある……足場がある……)

そして覚悟を決め、力強く足を下ろす

















「……やっぱりか……あー怖かった……!」


俺は当たり前の用に一歩進んだ先に立っていた





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