どりーむ
□LIPS♪
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大好きな孝介と付き合って何週間か経った、ある日のこと___
あたしは、吹奏楽部なので、放課後、普通に部活していた。
その日は雨で、朝からジトジトしていて気分も音も調子が悪かった。
「ああー、音悪いなあ...」
と、ひとりごとを呟きながら、誰もいない教室で1人で居残り練習をして、愛用のトランペットを吹いていたら、
「なーにしてんの?」
突然後ろから声がした。
「ひゃっ!?」
孝介だった。
「何?」
「突然出てこないでよ。びっくりするじゃん!!」
「だって、1人でいるし、俺からみたら意味不明だっつーの」
「てか、孝介部活は?」
「雨で早く終わった」
「あ、そっか」
一通り、説明も終わり、納得していたあたしに、孝介が問いかける。
「何してたんだよ?部活、もう終わっちゃったんじゃねーの?」
「あー、あたし今日音の調子悪いからさ、居残りで練習中」
「ふーん...雨の日だと、音変わんの?」
「うーん...まあ、今日はあたし、くちびるの調子も悪いから、そのせいかな?」
「くちびる?」
「うん。」
ふーん、と孝介が笑った。
それに、あたしは気付かなかった。
「じゃあ、俺がくちびるの調子、直してやるよ♪」
「えっ!?どーゆっん...」
言い終わる前に、口をふさがれた。
くちびるを舐めるようにキスをする孝介に、あたしは翻弄されていく。
さすがに息が持たないので、孝介に離してもらおうとすると、びくともしない。
「んーっ!!!」
やっとのことで離してもらえたあたしは、大きく呼吸をする。
「はあ、はあ、もっ、もう・・・」
「吹奏楽部のくせに息もたねーの」
「う、うるさい!!」
すると、孝介が勝ち誇ったような顔で、
「で、くちびるの調子はどうですか?」
と、言うので、あたしは満面の笑みで
「最高っ!!」
と、答えた。