F4

CHIC
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やばい。



風邪、ひいた。













部屋のベッドに倒れこんで、動けないまますばるの帰りを待つ。







まだ、ご飯も途中だし。

お風呂掃除もしてないし。






すばる、今日なんの仕事だっけ…

あ、コンサートか…




本格的に回らなくなってきた頭でぼんやり考える。







やばい…
これ、死ぬかも…











「…えみ?」









そんなこと思ってると、タイミングよく帰ってきた








「すばちゃん…」

「やで。」









どーした?
って言いながら顔をのぞきこんでくる。














「ぐあいわる…」

「はくか?!!」










ちょ、二日酔いじゃないんだから…











「はかない…けど…気持ちわるぃ…」

「すばちゃんがぽんぽんしてやるから寝ろ。」











ぽんぽんって…

と思いつつ、そんなこと言う気力もなく頷いた。











ぽすんってベッドの脇に座って、背中に手をおく。








あったか…









なんか安心して、
眠れそうって、









思ったのに。















ぽんぽんぽん、
ぽんぽん、ぽん、
ぽぽん、ぽん、
ぽぽぽんぽん。














おいおい、







「ちょ、ちょ、まって。」

「ん?」





なんや、
と言わんばかりの顔。













「リズミカルすぎる。」

「ぶーぶー(`З´)」














や、かわいいけどさ…

こんなときに、ボケなくても、ね?











具合悪くてもつっこまなきゃって…
大変だな、ひなちゃん…






とか、ひなちゃんの心配してると、更に痛みだす頭。








「も、ほんと…あたまいたぃ…」












そう呟いた私を見て、一瞬考えてから。






もぞもぞと布団に潜り込んでくる、すばる。











よっこいせ、とか言って、ぎゅうって抱きしめて、







やさしーく、背中をたたいてくる。












「…風邪、うつっちゃうよ?」







なんか、はずかしくなって、そんなこと言ったら














「ええよ?」





って、即答。








「よくないよ…
まだツアーちゅ…」










そこまで言いかけると、背中にあった手が頭におかれて、すばるの胸の中に引き込まれた。
















「えみやったらええよ。」













なら、いっかあ…。

とか思ってしまった私の頭は、きっと今最高にふやけてる。





でも、
いいよね、たまには。










こんな時間も。












END


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