F4
□YOURS
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そんな内から目を外して、自分の手を見つめる。
なんでか、めっちゃ
小さく見えた。
「…俺、サイテーなこと、考えてまうねん…」
「最低なこと?」
「さとみが…妊娠すればええ、とか…」
「亮ちゃん…」
「こども出来れば、結婚できるんちゃうかなって…
そんなん、アカンって、わかってんのに…」
ほんま情けない…
「さとちゃんは、亮ちゃんが思ってるほど弱くないで?」
そう言って、内はちょっと残ってたメロンソーダをずずーって飲みほした。
「結婚とか、形にこだわらんくても、僕から見た2人はじゅーぶん幸せそうやし。
それに、さとちゃん前言ってたで?
芸能人の彼女は、大変やねって聞いたらな。
大変やけど、亮ちゃん以外は考えられへん、って。」
「内…」
「やからーそんな焦ることないって☆
ヘコんどるなんて、亮ちゃんらしくないでっ!」
そう言って、笑う内。
やっぱり、内に相談して、よかったなぁ、と思う。
「ありがとな。」
「ここおごってなっ♪」
「またかいっ!笑」
俺、まわりが思っとるほど、かっこええ男ちゃうし。
情けないし。
こんな仕事やから、辛い思いさせることもあるけど。
でも、きっと、
さとみやないと、
アカンから。
俺が、大人んなるまで
もう少しだけ。
待っててな。
「えーどうしよっかなー」
「は?!嫌なん?!」
「それよか亮ちゃん内くんに貢ぎすぎだよ。」
END
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