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MAGIC
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焦げたソースのにおい。
少し汗ばむ肌。
耳に響く下駄の音。










夏祭り。














「おそいなー…」






人の並から外れて、少し離れたところで、



タコ焼きやら焼きそばやらを買いに行った、きみくんを待つ。










もーけっこうたったよな…
やっぱり、りさも行けばよかった…













『お前、ちっこくてどこおるかわからんから、待ってろや』







笑いながら言った、きみくんの言葉を思い出す。













…ちっこいちっこいって、ばかにしやがってー











でも、ほんとは、

心配してるからだってわかるから、ちょっと嬉しかったりもする。













そんなこと考えて、にやけるのを堪えて、ひたってると、

足元に陰が入ってきたのがわかって、顔をあげる。











「きみく、」

「ねー彼女なにしてんのー?」

「俺らと遊ばなーい?」












げ。



見ると、いかにもチャラい男が2人。











「いや、人待ってるんで…」

「えーなになに?彼氏?」

「いーじゃん、そんなんほっとけってー♪」










そう言って、肩に手を置いてくる。










ちょ、やだっ…












いきなり、

ガッて、
鈍い音が聞こえて、見ると、地面に倒れてる男。





「…なにやっとんねん。」









そう言って、ものすごく不機嫌な顔で、たたずむ、









「きみくん…」

「お前ら、人の女に手ぇ出して、ただですむと思ってんのか?あ?」










そう言って、男の胸倉を掴む。






完璧キレてる…








いまにも、殴り倒してしまいそうな勢いで。




やば…








「ちょ、きみくん!
もう、いいよ…ね?」

「…お前ら、次こいつに指一本でも触れたら絶対許さへんから。

はよ消えろ。」











そう言って、乱暴に突き放すと、男達は足早に去っていった。














「きみくん…」

「…だい、じょーぶか?」





そう言って、心配そうにりさを見るきみくんの目は、

やさしくて。










「うー…きみくんー…」





なんか安心して、
きみくんの服にすがりついて、泣いた。











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