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MAGIC
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「悪い、やっぱ連れてけばよかったな…」









そう言って、やさしく頭をなでてくれる。











「ううん、大丈夫。ごめんね?」

「…なんで謝んねん。」

「心配かけて…」

「はっ?!ばっ、心配なんかしてへんわっ!」









だいたいお前がぼけーっとしとるからっ、とか

ひとりで慌ててしゃべるきみくんがかわいくて、


思わず笑ってしまった。












「…あーもうっ、行くで!」

「えっ、待ってよーっ!」











ふてくされぎみに前を歩くきみくん。





でも、

耳真っ赤だし、
気ぃ使って、ちらちら後ろ見てくるし。







そうゆうのが、


なんか、嬉しい。













「、わっ…」





そんなん考えながら歩いてたら、前を歩いていた背中にぶつかった。













「もー、急に止まんないでよー。」

「……ん、」












そう言って、差し出された手。











「、え?なに、」

「お前、ちっこくてはぐれそーやから。

特別に、

手ぇつないで歩いたる。」











普段のきみくんじゃ、ありえない言葉で。


え?聞き間違い?
とか思って、その手を眺めてると、






はよせーやっ、


って、照れたよーにりさの手を引いて歩きだした。














「夏祭りまじっく…」

「は?」

「なんでもないっ」

「…今日だけやで。」














焦げたソースのにおい。
少し汗ばむ肌。
耳に響く下駄の音。

繋いだ手の温もり。








隣には、大好きな人。












END


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