F4

SEA
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「よく、こんな場所あったね。」

「…Pに、教えてもらった。」







あー、なるほど。
ともくんなら知ってそう。









「いーんじゃない?こーゆうのも。」

「俺は、しほと焼きそば食べたりバナナボートのったりしたかった…」













もー、贅沢だなぁ。
仁は。













「しほは、嬉しいけど。」

「え?」





「今日は、ひとりじめだもん。


海も、仁も。」














言った瞬間、視界がさえぎられて。


目の前に広がる、肌色。











「すっげー心臓はやい。
やばい。」













少しほてった肌から伝わってくる、自分と同じくらいの、心音。









仁の香水のにおいと、
潮のかおりが、

心地良い。














「しほ好き!大好き!」

「しほも!」

「よし!遊ぼっ」

「うんっ」















焼きそばも

バナナボートも

かき氷も




なんにもないけど。














でも、





仁がいれば、なんにもいらないかな、










とか、思ったりもします。









青い空。
白い雲。

輝く太陽。

肌から伝わる、温もり。







隣には、大好きな人。












END



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