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□FIREWORKS
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心臓に響く低音。
少し、蒸し暑い空気。
目に映る光。
花火。
「えみ!行くで!」
「は?どこに?」
えーからえーから、
って、私のバックに自分の財布とケータイを入れて
ほれ!
って渡してくるすばる。
えーからって…
まだ洗い物途中なんですけど…
でも。
もう準備万端だし。
車のエンジンかけちゃうし。
もー、ほんと勝手なんだから…
「はよ行くで!」
楽しそうに言うすばるに負けて。
すばるが待つ車に、乗り込んだ。
「どこ行くの?」
「さーどこやろなー♪」
しばらく車を走らせると、浴衣姿の女の子たちが目につく。
「お祭り?」
「おん、今日このへんでやってんねんて。」
お祭りって…
「すばる、嫌いじゃん。
人いっぱいだよ?」
前にりさたちと行ったときだって、もうアカンってすぐ帰ってきたのに…
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