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目の前に現れては、ぱらぱらと消えていくそれ。

暗い空の中に光る、たくさんの色。











「花火だー…」

「今日、花火大会やねんて。」











そう言って、柔らかく笑うすばるは、花火の明かりに照らされて。


くやしーくらいきれい。













ぼーっと見てたら、すばると目があって、

慌てて目をそらした。










「なに見とれてんねん。笑」










なんか恥ずかしくなって、手を離そうとすると、

さっきより強く握られる手。












「お前に見せたかってん。」

「え…」

「最近、全然出かけられんかったし。

でも海とか祭とか、俺アカンし。

これなら一緒に見れるやん?」











そう言って、笑うすばるが






なんか、


嬉しくて
愛しくて







涙が出た。













「…いつも、ありがとうな。」














小さく、そう言って。
涙を拭ってくれる。









目があって、


なんでか、すごく緊張して

すばるからも緊張が伝わってきて


初めてみたいに、余裕がなくて。






でも、


優しく、
唇を重ねた。








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