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□図書館の憂鬱
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正直、図書委員長なんてやりたくなかった。
ざわ・・・ざわ・・・ざわ・・・
放課後のこの時間、いつもはもっと静かなのに、雨が降った所為で図書室には人があふれている。
「静かにしてくださーい」
カウンターから呼びかけた私の注意する声に反応するかのように(実際反応したらしい)友達がカウンターの外で振り向いた。私の図書当番が終わるのを待っているのだ。
「何よ蒼、委員長やりたくないとか言っておいて。すっごいやる気じゃない。どうしたの?心境の変化?」
「別に、なんにも変化してないよ。」
「だったら何でそんなにやる気なの?」
「やる気になるから嫌なの。」
「あー・・・」
注意したばかりなのに、うるさい。図書室のマナーがなってない人ばかりだ。
図書委員長になると、こういうことがすごく気になってくる。だから嫌だったのだ。
でも、何もせずに図書室がうるさいのより、めんどくさいことをして静かになるほうがいいのだ。
「ごめん汐原さん、ちょっとこの仕事頼まれてくれる?」
「はい、いいですよ。どうされたんですか?」
「ちょっとあのうるさい集団、黙らせに行って来る。」(ニッコリ)
「は、はい・・・。」
(き、如月先輩、後ろから黒いオーラが漂ってます・・・!)