Main
□身長
1ページ/4ページ
「ふわっ!」
忘れ物があって入ろうとした部室の中から、かなり大きな声が聞こえてきた。
我らが野球部のマネジの声だ、と思ったらいてもたってもいられなくなった。
「しのーか!?」
「あ、水谷君・・・」
勢いよくあけた扉の向こうで、篠岡は台の上に片足だけ乗せていた。
「どーした?」
「あれ取ろうとして台に乗ったのはいいんだけど、ちょっとバランス悪くって・・・」
「ガタッとなっちゃったわけか。」
よくあるよねー、と相槌を打って、篠岡が指差した箱を自分がとる。
「これだよね?」
「ごめん、迷惑かけちゃったかな。」
「だいじょぶだって!てゆーかほら、こういうときはごめんじゃなくて言うことがあるでしょ?」
篠岡の表情が本当に申し訳なさそうで、つい言ってしまった。
「あ、うん、ありがと!」
自分が促してお礼言ってもらって思うのもあれだけど、その笑顔が見れただけで十分です。
「そういえば、水谷君はどうして部室に来たの?」
忘れ物したこと、忘れてた。
.