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□ツナの日常
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「えー、今日は雨が降ってしまったということでシャトルランをします。スタートはあのライン。コーンがおいてあるのが見えるな?そこからスタートしてください。」
言葉とは裏腹に厳しい口調の先生の言葉をため息混じりに聞き逃し、ジャージを脱いでスタートラインにつく。
「一緒に走ろうぜ、ツナ。」
「十代目!お供させていただきます!」
二人が隣に来た。走ることに対して今から緊張して声が出ないけど、それを肯定と受け取ってくれたらしく、二人ともさっきのテンションのままスタートラインにつく。
(目標は40くらいかな。)
中学3年生にしては少なすぎる目標を当たり前のように掲げてしまう。実際、記憶にあるうちで最初に脱落しなかったことなんて一度も無い。
『スタートします。5秒前、』
テープが流れ始める。古いテープのようで、少し音がかすれている。
(ああっ緊張してきたー!!)
もっと前から緊張しているのにそんなことを思ってしまう。