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□ホグワーツ・日本分校の日常
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「78,79…よし。ちゃんといるな。」
二人が同級生たちのもとへたどりつくと、銀髪の先生らしき人が数を数えています。
でも、自分たちが集まる前に数え終わっていたので、適当に数えていたようです。
「じゃあ、あのボートに乗るぞ。…ああ、荷物はここにおいてって。寮に持って行くから。
ボートは一隻に5人だからな。きっかり乗れるようになってるから一人分でも空けるなよ。」
二人は、オレンジ色の髪の少年、黒色の髪の眼鏡をかけた少年と、大きな体の色の黒い少年(?)が乗っているボートに乗り込みました。
黒髪の少年がオレンジ髪の少年に話しかけています。
「おい黒崎知ってるか?組みわけは帽子をかぶってやるそうだぞ。」
「なんで帽子なんだよ。」
「そんなの僕が知るはずないだろう。」
険悪なムードのようです。
「あのー…」
険悪なムードに耐え切れず、思わず栄口が口を出します。
「『組みわけ帽子』って言って、それがしゃべって教えてくれるんですよー…。」
「君、今年から高等部に入学するみたいだけど、マグル生まれじゃないみたいだね。どうして知ってるんだい?」
黒髪のほうが驚いたように尋ねました。
「家の都合で、中等部から入学するつもりだったのが延期になったんです。」
「ああ、変なこと聞いて悪かったな。」
黒崎と呼ばれた方が謝りました。
「いえいえ。」
笑顔でこたえてますが、栄口の笑顔はどこが陰っているのが三橋にはわかりました。きっと黒崎君はそれがわかったのでしょう。
「着いたぞー。ここからお前らはまっすぐ坂を登れ。そしたら誰かいるから。じゃ、おれはこれで。」
と言って、銀髪の先生らしき人はどこかへ歩き去ってしまいました。
高等部一年生のたくさんの生徒たちは、坂を登り始めました。
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