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□図書館の憂鬱
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こんなときにヒールが履きたくなるなぁ(カツカツした足音が出せるから)、とか関係ないことを思いながら、うるさい集団の中でもいちばんうるさい組に向かっていく。
去年同じクラスになったけど、典型的な女子高生って感じの(よく言えば)元気のいい人達で、私とは全くそりが合わないような人達だ。
「・・・そうそう!かっこいいよね「すいません、ちょっといいですか?」
「・・・何?如月さん。」
「ちょっと静かにしてもらえませんか?周りの皆さんが迷惑してるので・・・」
「ああ、はい。」
よし。静かになった(ちょっと投げやりな返事だったけど)。やっぱり最初は物腰柔らかくが基本だよね。最初は。
ほかにも、ひとつづつうるさい集団を静かにさせてきた。最初のほうに静かになってくれた人たちに釣られて、図書館全体も静かになってきた。
よしよし、この調子。
とか思ってた矢先、さっきのいちばんうるさい集団の近くを通り過ぎたとき、聞こえてしまった。
「何で私たちに最初に来るの?」「あ、わかった!男子に言うの大変だからこっちで力試ししたんじゃない?」「うわ、ありえそー」「うざっ」「なんでそんな小心者がこんなとこに注意しに来るんだって話」「ははははは」
決して大きい声ではないから、周りの人々に迷惑はかけてないだろうけど、気になる。
でも、実際周りに迷惑かけてるわけでもないし、自分のためだけにいくとか大人気ないって。と思って頑張って素通りした。
でも、それがいけなかったような気がする。