サイレンSS
□Pain
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一緒に居る事が多くなると
色々気になるモノらしい。
「ねぇねぇ夜科、そのペンダントはなぁに??見せて。」
雨宮が俺の胸にあるコレを
執拗に見たがる。
「大したモンじゃねえって。気にすんなよ…」
本当に。
ただ名前とか血液型とか誕生日とか…
そういった俺自身のデータが刻印されたシルバーのタグが
皮のカバーの中に2枚
入っているだけだ。
雨宮とは夕方まで遊んで、それぞれ家路に着いた。
「ただいまぁ」
姉貴はまだ帰っていない。
誰も居ないと知りながらもちゃんと声を出すのは
姉貴との約束だ。
あの時以来の…
「ちぇ…」
俺にだって 思い出したくない事の1つや2つ…
…いや、たくさんある。
気分が さっぱりしない。
出かける前に洗っておいた風呂にお湯を張り、さっさと入浴を済ませておくことにした。
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