サイレンSS

□1万打記念アンケートSS
2ページ/13ページ



[雛祭りは混ぜるな危険]


***

09.3.3

***

雛祭り。

私がまだ幼かった頃は
とても楽しみだったっけ

いつからか
そんな年間行事もあったなぁ
なんて思うようになって。

いつも通り学校の帰り道に買い物をして
一人で夕飯を作って
食べて片してお風呂入って…

今年もそんな風に過ぎるのだと
思っていたのだけど。


「え…アレ??」

マンションの前に
よく知った人が、二人。

「おかえりぃ!桜子ちゃん。あぁ、今日はアゲハと一緒じゃ無いのね…」

「よーぅ桜子!そろそろ来る頃だと思ったよ。」

え、ええーー!?

「フブキさんにマツリ先生!どうして…」

「今日有給取ったのに予定変わっちゃって。ほら、今日3月3日でしょう?
一緒にちらし寿司でもと思ってW」

フブキさんの手には大きな重箱。

「ホラ、今日3月3日だからァ、一緒に白酒でもと思って☆」

マツリ先生の手には酒瓶(大量)。

「フブキさんの事情は解りましたが…マツリ先生は…
お酒飲みたいからってまた菊池さんを振り切って抜け出してきたんですか?」

「えー!?桜子反応冷たいィ!折角会いに来たのにぃ…シクシク(泣きマネ)」

「あ、あのぉ…」

「先生、お酒はちょっとだけですよ!それはともあれ、二人とも会いに来てくれてありがとう…
中入りましょう。ずいぶん待ちました?」

『ううん!ぜーんぜん!』

二人でお話してたから…と
にっこり微笑む。
きっといっぱい待っていてくれたんだな…

予想外の来客だけど
すごく嬉しい。


オートロックのドアを開け
エレベーターのボタンを押す


「桜子ちゃんが有名なピアニストの八雲さんと師弟関係だったなんてびっくりしたわぁ
きっとピアノ上手なのね!!」

あ…先生、上手く誤魔化してくれたみたい。

「や!それよりもアノ夜科のお姉さんがこんなに美人さんで(お酒の)話が解る人なんて…」

先生、微妙にズレてます。

玄関に辿り着く
両手の荷物を置いて
鍵を開けた

「さ、どうぞ…座ってくつろいで下さい
お茶入れますから。」

食材を冷蔵庫に仕舞い
ポットの水を入れ替える

「うーん、桜子の部屋はいつも綺麗だな!」

マツリ先生は早速ソファに寝転ぶ。

「毎日一人で大変でしょう?今日は食事これで良ければ手間かからないかなって。」

フブキさんは、作ってきてくれた料理を
テーブルに広げている。

「おわー!!すごい。良いなぁ料理上手な人って…
桜子もフブキさんも良い嫁さんになるわねぇ。」

「先生もちゃんとやろうと思えば出来るハズですよ。」

「やろうと思わないのよ(笑)」

「(笑)じゃなくて!先生もいつかは奥さんお母さんになるかも知れないんだから…
たまにはお酒のおつまみ以外にもちゃんとお料理してくださいね!」

「はいはーい。」


緑茶とお箸を3人分用意して
ダイニングに運ぶ
マツリ先生はもうお酒の蓋を開けていた。

「先生、コップ持ってきますから!ちょっと待って!…はい!」

「ん!じゃぁ揃った所でかんぱーい!」

「かんぱーい!」

…私はお茶だけど。

取り皿に先生の分を盛ってあげる
そうしないと、折角の綺麗なお料理を
崩しかねない。

「いただきます。」

うわぁ…おいしい!

「見た目もだけど、味も最高です!フブキさん!」

「よかったぁ。今日丸っと一日暇になっちゃったから
乾瓢とか椎茸とか全部自分で煮てみたんだぁ」

「あ、ホントおいしい!酒にも合う〜」

「有名ピアニストが酒豪ってのもびっくりだけど…
桜子ちゃんのお部屋、間取り変わってるわねぇ!寝室丸見えなんだけど…新しいデザインなのかしら?」

ぎくり。

《まさかアンタの弟の仕業だとは…夢にも思わないよな(笑)》

先生のテレパス。

《余計な事は言わないで下さいよ!》

「え、ええ…そうなんです。キッチンにダイニング、そしてベッドルーム一体型って
新しい試みだそうで…」

「へええ…」

「ぷ…っ、あははははは!!」

「ちょ…先生!酔うの早すぎます!(先生ったら!)」

「ふふふ…ホントに面白い人!」

「うふ…ふふあはははは!」

「あ!やっと桜子笑ったぁ!よし!もっと楽しくなるように一杯♪」

「飲みません!もぉ先生ったら」

「あ、私おかわり頂きます。」

「じゃんじゃん飲んで下さいお姉さん!」



食事しながら
談笑とお酒が飛び交った。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ