★隠し漫画&出張の碗

□笠地蔵
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地蔵

●爺:三笠
●婆:和

●地蔵@:椿 
●地蔵A:那須
●地蔵B:暗石
●地蔵C:静奈
●地蔵D:鈴奈
●地蔵E:御陵
●地蔵F:日織





婆「もうすぐ大晦日だというのに、年越しの準備も出来ないですよ、お爺さん」

爺「毎日真面目に働いているというのに、何故我が家は貧乏なんだろうな」

婆「猫耳付きの笠を作ってる限り、うちは永久に貧乏だと思いますが」

爺「よし、蓑に尻尾を付けたら売れるに違いない」

婆「いやだから、余計なオプションを足すんじゃなく、引いて下さいよ」

爺「今日の笠と蓑は、トラ猫模様だ。では売ってくる」

婆「………………」

 ☆ ☆ ☆

爺「……何故か今日も売れなかったな……。ん?」

地蔵×7「…………………………」

爺「このまま家に持って帰るのもなんだし。こいつらに被せてやろう。……よっこいせ」

地蔵@「れっ、礼は言わねーからな!」

地蔵A「ありがとう、これで筋トレが出来るよ!」

地蔵B「ちっ、仕方ねえ……貰ってやるよ」

地蔵C「今度、タダで念仏唱えたげるね」

地蔵D「猫耳付属の笠って……飴と鞭の格差がすごいわ」

地蔵E「……そんなに優しくしないで下さい……ううっ」

爺「ん?しまった、一体分足りんな」

地蔵F「………………」

爺「………………」

地蔵F「………………」

爺「………………」

地蔵F「………………」

爺「……足りない物は仕方ないな。帰るか」

地蔵F「えええええ!!??ちょっ、待っ――」

爺「なーんも聞こえんな」

地蔵F「お、おのれぇ〜〜」

 ☆ ☆ ☆

婆「そうですか、お地蔵さんに……」

爺「最後の一体には被せられなかったが」

婆「そんな事より、年越しの準備が出来ないんですが」

爺「そんな事より?」

婆「7つ目の地蔵には、いつも通る度にねっとりした視線で見つめられるんで」

爺「怪談か?」

婆「少しでも売れるように、笠をなんとかして下さいよ」

爺「よし、三毛猫柄でリベンジだ。これなら売れるに違いない」

婆「……別れたい……別れたいよう……」



★おしまい★

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