(´ω`)φ【wammy's invention laboratory】


□「7 Peccati cardinali」6.AVIDIT(さる作)
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俺には沢山の守るべき物がある

それは何よりも大切で、暖かいもの
傍にあるのが当たり前で、代え難いもの
必然で当然の存在

俺の過去は何も得ようとしなかった
得て何か変わる事等ある訳が無いと考えていたから
全て諦めて遠くから見詰めていた

きっかけは痛みだった
何かを得る為に必要なその痛みは
俺が見過ごして来たもの達の存在をこの目に映した

眩しかった光 憧れた存在 届かない想い
遠く感じていた全てが目の前にあった
手を伸ばせばその全てに触れる事さえ・・・

―――だがそれは同時に失うかもしれない恐れを生じさせた―――

強くあるべき自分 脆弱な自分
どちらも同じ俺であり俺ではない
俺自身は何も変わらないから

夢を見るように変わって行く状況
全身に広がる傷の痛みと恐れ
逃げ出したいとさえ考える

でも それをすれば俺は全てを失う
大切な存在 自分の居場所 暖かい光
考えるだけで恐ろしく呼吸が乱れる

もっともっと強く・・・もっともっと・・・
忘れないで 俺は此処に居る
あなた達の直ぐ傍に

守りたい 守り抜きたい 此処に居たい
消えないで 俺の傍から離れないで
ずっと 永久に傍で微笑んでいて

傷つかないで 悲しまないで 苦しまないで
俺はどんな事をしても守るから
俺がどんなになっても守るから

どんなに身体が痛んでも
君が微笑んでくれたなら
君が見詰めてくれるなら

・・・誰も失いたくない
誰も渡したりはしない
どんなに自分が傷付いても

夢のように柔らかいその想いがある限り
俺は貪欲に欲し続けるだろう
俺の・・・俺達の世界を守る為に

どんなに地を這おうと
どんなに痛みを感じようと
この胸の想いが消えない限り

俺は貪欲に強さを求め
俺の場所を守り続ける
暖かい微笑のある場所を―――

雲ひとつ無いこの綺麗な大空の下
今日も俺達は共に歩く
何も知らない子供の様に笑いながら

淡く儚い夢の様な幸福を
明日もまた会える様に
俺は今日も心に火を灯す

全ては―――の為に       《完》

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