<;丶`Д´>紐育 につく 通り 入口以前
□「┣ my KEROna ┫from THE KNACK」(さる作)
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軍曹が元気になる梅雨間近のとある日・・・相変わらず賑やかな日向家であります。
『えぇぇぇ〜〜!・・・嫌だ、何でぇ!?』
そう叫びながら夏美ちゃんが手にしているのは、最近買ったばかりのCDのようです。
『何で!如何して割れてるのよぉ!?・・・・・ボ〜ケ〜ガ〜エ〜ル〜・・・あんた・・・・まさか・・・・・?』
『ゲロ〜〜!?』
物凄い目で睨まれて震える軍曹を、冬樹君がかばいます。
『姉ちゃんごめん・・・そのCDソファの陰に隠れてるの知らなくて・・・一緒に掃除してた僕も悪いんだから、あんまり軍曹の事怒らないでやってよ。』
その言葉に目をウルウルさせながら神様を見る様な軍曹に、夏美ちゃんが襲い掛かります。
『自分でやったくせに、何冬樹に言い分けさせてんのよ・・・。』
頭を鷲掴みにされ、目の前まで持ち上げられた軍曹・・・恐怖のあまり逆切れを起こしてしまいました・・・あ〜〜ぁ、知〜〜らない。
『そ・・・あ、あんな所に置きっ放しにしておく夏美殿も悪いであります!それを何も知らない我輩が踏み付けて割っても、仕方が無いでありますよ!?』
『ぬわんですってぇぇぇぇ〜〜〜!あんた、これはねぇ散々探して手に入れた大事なCDなのよ!?曲名調べて、散々探し回ったあたしの苦労を如何してくれんのよ!!』
グルグルと高速回転させられる軍曹は、もはや悲鳴だけしか出ません。
『ゲ〜〜ロ〜〜!?』
『姉ちゃん、やりすぎだよぉ。』
『何よ、冬樹。こいつの味方する気!』
軍曹の両頬を左右に伸ばしながら、夏美ちゃんが冬樹君に言い返します。すると冬樹君は困った顔をしながらこう言い始めました。
『そりゃぁ壊しちゃった軍曹が悪いけど、あんな所に置きっ放しにしてた姉ちゃんにも少し責任あるよ。』
『何よ、仕方ないじゃない。鞄から落ちたのに気付かなかったんだし・・・。』
『それだったら軍曹も同じだよ。僕も気付かなかったんだし、皆少しづつ悪いんだからさ、もう許してあげなよ?』
冬樹君の言葉に夏美ちゃんは、苦虫を潰した様な顔をして考え込みます。そして仕方無さそうに溜息を付くと、軍曹の方に向き返りながら話しかけました。
『・・・・・分かったわよぉ。やりすぎだった・・・ボケガエル・・・・う・・・・』
夏美ちゃんの言葉を聞いて、少々いい気になった軍曹は黒い笑いを浮かべながら言葉を返しました。
『分かれば良いんでありますよぉ。まったく・・・・最初っからそう言ってくれれば、我輩だって口答えなんかしないで済んだのにぃ〜〜〜ケロ?夏美殿?』
その態度に夏美ちゃんの怒りが再燃焼、今度は縦に伸ばされます。
『も・と・は・と・い・え・ば・・・・あんたが悪いんでしょうがぁぁぁぁぁぁ!?』
『ゲロ〜〜〜そうでしたぁ〜〜!!』
そしてそのまま遥か遠くに投げ飛ばされてしまいました・・・はぁ・・・。
『はは・・・・姉ちゃん・・・軍曹・・・・はぁ・・・・。』
呆れたような、諦めた様な冬樹君は、そう呟きながら深く溜息を付きましたとさ。
さて、その日の夕方・・・ここは軍曹達の地下秘密基地内、作戦会議室。包帯グルグル巻きの軍曹が、怒りマークを何個も頭につけながら熱弁中です。
『全くもって理不尽な出来事であります!』
呆れた表情のギロロや無関心なクルル、お菓子を頬張るタママにお茶を啜るドロロ・・・軍曹の怒りの演説を真剣に耳を傾けているのは、どうやらモアちゃんだけの様ですね。
『可哀相なおじさま・・・大丈夫ですよ、モアがついています!』
泣きべそをかいている軍曹の頭を撫でながら、笑顔を浮かべるモアちゃんに軍曹も笑顔になります。・・・タママは恐い顔になっちゃいましたね・・・ハハ・・・。
『モア殿は優しいでありますなあ・・・それに比べて・・・ちょっと!我輩が酷い目にあったって言うのに、あんた達何とも思わない訳!?』
ギロロが苦虫を潰した様な表情でケロロの質問に答えます。
『ふん・・・くだらん。大体貴様が夏美を怒らせる様な事をしたのが悪いんだろうが!』
『ムキー!?何なのよ、その言い方はぁ!!大体先に悪い事したのは、その曲を使っている芸人でありますよ!!あれは我輩達が考えた作戦の真似っ子であります!?』
小隊メンバーが軍曹の言葉に驚きながらも、何処か疑いのまなざしが出てしまう辺りはやはり日頃の行いなのでしょうか?
その様子に気付き、フォローのつもりでドロロがこう切り出しました。
『あ〜〜・・隊長殿、それはどう言う事でござるか?』
ドロロのその言葉を聞いた軍曹は、物凄い嫌な顔をしながら飽きれた様に言いました。
『ゲロ・・・何よ、ドロロ!?覚えて無い訳!!あんだけ張り切って踊ってたくせに・・・ダメダメでありますなぁ!』
『えぇ!・・・しょんなぁ・・・酷いよ、ケロロくぅん・・・。』
泣きべそ顔のドロロの横から、クルルがしゃしゃり出て来ます。
『はは〜〜ん・・・隊長、それって以前夏美がバッチリ掛かった歌で地球人を洗脳する作戦の事言ってんのかぁい?』
すると軍曹の顔がパァッと輝き、目もキラキラ輝き始めました。余程嬉しいらしいですね、はい。
『さっすがクルル♪どこか誰かさんとは違うであります!』
『あの・・・地球人が好む音を研究し、俺達が歌ったあれか?』
『そう!そうよ、それそれ!?いんやぁ〜〜さすがギロロ伍長、冴えてる〜〜であります。』
『しょ、しょんなぁ〜〜ケロロくぅん、酷いよ〜〜。』
半べそ気味のドロロ兵長をスルーして、タママ二等兵が可愛く質問します。
『でもぉ、それと今回ナッチーを怒らせた件とどう関係してるんですかぁ?』
『そこよ、そこ!重要なポイントねぇ!?前回の我々の作戦に眼を付けた地球人が、我輩達が一時的に姿を消したのを良い事に利用したのであります!』
『えぇ〜〜!?』(一同)
て、軍曹!ずいぶん自信たっぷり言い切っちゃてますけど、違うと思いますよ〜〜?
『つまり!我輩達の作戦はあながち失敗ではなかった・・・・むしろ、地球人が利用するほど良い作戦だった・・・・すなわち!?侵略は成功したと言っても過言ではないのであります!!』
・・・・軍曹〜〜ぼうそうしてませんかぁ〜〜?
『な、なるほど!?そう言う事かぁ!!』
『やっぱり俺様が作る物には間違いがないぜぇ〜〜ク〜ククク〜』
『何か良く分かんないけど、凄いですぅ軍曹さぁん。』
『僕も仲間に入れてよぉ〜〜。』
悪巧み顔の軍曹が勝ち誇った様に言葉を続けます。も、勝手にやってください。
『ゲ〜ロゲロゲロゲロ・・・・これを踏まえて今回更に強烈な物を開発し日本だけではなく、一気に地球全体を侵略するでありますよ!』
『おぉ〜〜ケロロ、やっとやる気になってくれたのかぁぁぁ!?俺は・・・・俺はぁ・・・・!!』
『すごいアイディアですぅ、さすがは僕の軍曹さんですぅ!』
『俺様の天才ぶり・・・見せ付けてやるぜぇ〜〜クク〜〜』
『僕も仲間に入れてってばぁ〜〜』
誰か――止めて下さ――い!
『んじゃ、いっちょ行っとく?』
軍曹の掛け声と共に共鳴X5が始まろうとした時、軍曹の背後から只ならぬ気配が漂ってまいりました。
『ゲロ!?・・・・こ、この背筋も凍り付く気配は・・・・』
青ざめた表情で振り向く軍曹の頭を、怒りの表情の夏美ちゃんが鷲づかみにして持ち上げます。
『・・ボ〜ケ〜ガ〜エ〜ル〜。』
『きいやぁぁぁぁぁ、にゃ、にゃつみ殿!!』
夏美ちゃんの怒りの表情に戦々恐々しているのは軍曹だけじゃないようです。
『な、夏美ぃ!?』
『・・・・人が言い過ぎたと思って謝りに来れば・・・・・・また何かやらかそうって言うの・・・・?』
『ひぃぃぃぃ・・・わ、我輩何もしてないであります!』
『そうだよ姉ちゃん、軍曹の事決め付けちゃ駄目だよ。』
『フッキーも!?』
『お2人共どうやって此処に!』
ドロロの質問に眼を丸くしながら2人が答えます。
『どうって・・・?』
『会議中は入れない様にセキュリティ・システムが作動してる筈だぜぇ・・・?』
『はぁ?鍵ならつけっ放しだったわよ?』
・・・・・・どうやら軍曹、セキュリティ・ロックをし忘れたようですね。皆も呆れています。
『ゲロ・・・・デモでもデモ、我輩まだ何にもしてないから怒られないであります!』
『じゃあさっきの侵略がどーたらって話はなんなのよ!』
滝の様な汗をかく軍曹を、冬樹君がかばいます。
『まーまー姉ちゃん・・ね、軍曹も話してただけだよね?』
『そ、そうであります!我輩・・前回の歌を更に強力に開発し、地球全体を侵略しようなんて全然考えていないであります!?』
あ〜〜ぁ・・・自分で暴露しちゃった・・・。夏美ちゃんの怒りMAX地点到達・・・優しげな笑顔に変わります。それと正反対に凍て付いてゆく軍曹達・・・・笑顔が引き攣っています。
『・・・・・ちょっとこのプレイヤー借りるわねぇ。』
『はわわわわわわ・・・・・』
夏美ちゃんがかけたCDは、軍曹と喧嘩になったあの例の曲が入ったCDです。軽快なリズムに合わせて夏美ちゃんが歌い、その勢いで軍曹達を蹴り上げます。
『ふふふん♪今日もおしおき、ジャンピングゥゥゥゥゥ!?』
『ゲ〜〜〜〜ロ〜〜〜〜!?』
『ギロ〜〜〜!?』
『タマ〜〜〜!?』
『何で僕までぇ〜〜〜!?』
『わぁ、こんなに飛べるんだぁ!?』 ←← m9つ^Д<^゚。∬☆★☆
と、5人5様で大空にジャンピングして星になりましたとさ。
『ショッキング〜〜でありま〜〜す!?』 《完》