kira事件、特別捜査本部・二千五◯一号室


□「二十三夜・3」(さる作)
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月明かりの中、奴の白い肌が浮かぶ・・・其の穢れない絹のように滑らかな肌に自分の手を、指を、唇を這わせる。女とは違う柔らかな感触に何か言い得ぬ快感が頭の芯から痺れさせる。奴もまた、僕の肌を味わう様に手を、指を、舌を這わせ上気する身体を嬲って行く・・・溶ける様な快楽、絡み合う二つの身体・・・今まで色んな女を抱いたが心は何時も冷めていた。女達がどんなに喘ごうと、其の赤い唇が自分の名を呼ぼうと、こんなにも熱くなる事など有り得なかった・・
もう何回こんな風に身体を合わせたのだろう?何時もどちらからとも無くキスをして、舌を絡ませ合い求め合う。互いの服をもどかしそうに脱がし合い熱い部分を弄る。互いの指と舌ではちきれんばかりに膨張した肉を責めあい、何度も襲う高まりに其の身を焦がし、背中に走る電流が頭の先まで痺れさせる・・・。汗ばむ互いの身体・・奴の薄い、しかし形の良い唇が名を呼ぶ。

「・・・ライト・・」

甘ったるい淫靡な声に雄としての欲望が頭を擡げる。貫きたい・・・!其の欲望の声に従い、奴の秘部に指を押し込みぐちゃぐちゃにかき乱す。奴の声は一段と高まり僕の肩に歯を立てる。さっきより熱い身体が更なる情欲をそそる・・・そして、1本、又1本と彼の秘部を押し広げて行く。奴の身体は仰け反り其のしなやかな指が背中に食い込む。息使いが荒くなり、奴の肉も又其の時が待ち切れないのかドクドクと大きく脈打っている。・・・不意に奴が潤む瞳で哀願するように見つめる。僕は、其れを得も知れぬ気持ちで見下ろす。優位の快感・・?それとも求めていた者が腕の中に有る幸福・・?そんな思いの中奴を貫く・・・。

「!・・・はぁ・・・」

そう小さく呟き、後は声にならない。こんな幸福感は今まで味わった事は無かった・・段々と激しくなる動きが互いの快感をより高い所へと導いて行く。軋むベッドの音と互いの息使いだけがだけが暗闇に響く。奴の手に自分の手を重ねると、熱く火照る指を絡めてくる・・・愛しい・・・狂おしい・・・初めて想った・・。頭の中が余りの熱さに溶けそうになり、身体に稲妻が走る。奴は僕の掌に、僕は奴の熱い中に快楽の液を解き放つ・・・。目を瞑ったまま二人でベッドに倒れ込み、熱く火照る身体をきつく抱きしめた。総ての物事に逆らい、罪しか残らないこの関係を僕は楽しんでいるのだろうか・・・?奴の追い求めるキラは奴にとって絶対悪であり、咎人である。どんなに理由を付けたとしても殺人は殺人・・許せる者では無いと迷いの無い暗褐色の瞳が僕に絡み付き、縛り付ける。其れを傍に居て聞く度に、自分の心が二つに割れて行くのを感じる。キラである自分と夜神月と言う自分が頭の中でその存在の意味を問い合う時、例え様も無いざわめきが自分の首をゆるゆると締め上げて行き息が出来なく成る、そして苦しみの果てに生まれる感情は・・・。これはキラなのか、月なのか・・それとも別な何か・・・?判らない・・今判るのはこの腕の中の温もりと、唇の感触、名を呼ぶ声・・・何かが叫んでいる?・・頭の隅で呟く心に耳を傾ける・・・一瞬のホワイトアウト(コロス・・ジャマナモノ、キエロ。)見えたのは暗闇に浮かぶ男の手・・・何だ・・?

「・・・ライト君・・・?どうしました・・?顔色が悪いですよ?具合でも悪いんですか?」

その声に、はっと我に返る。奴は何時の間にか身体の熱く結ばれていた部分を外し、後処理をしていた。何時もと変わらず淡々としているのが少し憎たらしい。

「いや、別に何でも無い。少しボーっとしただけだよ。竜崎はもうシャワーを浴びたの?」

「・・いいえ、ライト君の肌が心地良くて彼方此方触っていました。しかし、反応が無いので眠っているのかと思って顔を見たら空を見つめたままで固まっていたので・・・大丈夫ですか?」

何に対しての問い掛けなんだろう?と思った。

「?・・別にどうもしないよ?シャワーがまだなら一緒に風呂に入ろう。立つのしんどいだろう?」

そう言うと奴は少しムッとし、顔を背けた。多分顔を赤くしているのを見られたくないのだ・・。

「・・・貴方も言う様になりましたね・・最初の頃は貴方がそう言われてたからって、仕返しは可愛くないですよ。」

今度は、僕がムッとした。そうだ、最初に頃は僕が奴の下に組み敷かれ、身体の隅々まで焦らす様に愛撫され続けた。身を捩り哀願しても奴は中々熱く滾る肉に触れてくれず僕を弄び、挙句言葉で攻め続けた。僕は其れが屈辱だったし、同時に快感でもあった。言葉で求めるまで焦らされ、挙句に簡単にイク事も許されないあの状況に比べればこれ位の意地悪くらい可愛い物だと思う。

「竜崎がしてた事に比べたら可愛いもんだろ?・・湯船にお湯を張ってくるから待ってて」
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