京都市左京区吉田新町一の□□□の一の一千◯一十二


□「ブッコロリ→(〓CTSM支援SS)」(さる作)
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とある良く晴れた冬の午後、日向家の周辺は何時もより静かだった。其れと言うのも、お騒がせケロン人のケロロが出掛けていたからだった。地球人型スーツを着てガンプラを買いに、何時もの商店街にある何時もの玩具屋で何時もの様にガンプラを物色していた時の事・・・。


『う〜ん・・どのガンプラにするか迷うでありますなぁ・・。』

一種異様な姿に周囲の人々は動揺を隠せない・・同じ様にガンプラを買いに来た子供達は遠巻きにケロロの姿を見ていた。

『う〜〜ん・・此処は何時もの様に手堅く・・・いやいや、此方の連作も捨てがたいし・・・・あぁ〜!迷うでありますよぉ!?』

支給されたお小遣いを如何に上手く使い、数を揃えるか・・・此処最近のケロロの目標であるが、そんな目標を立てる前にとっとと侵略しちまえば良いだけなんじゃ?と突っ込みを入れたい所だが話の進行上放置プレイにしておいて・・・兎に角、そんなのどかな時間を過ごしていたケロロの耳に何やら騒がしい音楽が聞こえて来た。

『ケロ?何事でありますか??』

音に惹かれながらもガンプラだけはしっかりと購入し、音の方向へと向かった。其処は以前すももちゃんが新曲を披露したステージだった・・が、今日は何組かの地球人のバンドがその腕を競い合うイベントが行われていた。どのバンドも中々の腕前で甲乙つけがたかった。根っからのお祭り好きのケロロは直ぐに飛び付いた。

『おぉ!?楽しそうな事をやっているでありますなぁ!?・・こんなに人も集まっていて皆楽しそうであります・・・・今度の作戦・・この線で行ってみるのも有りでありますな?・・・ゲ〜ロゲロゲロゲロゲロリ!』

顎に手を当て、凶悪な顔でそう呟くケロロ・・そんな侵略者の考えなど宇宙の彼方まで弾き飛ばされる様な起ころうとしていた・・・。

『・・・はーい、有難う御座いました!以上でエントリーされてた方の演奏は終わりでぇす。此処で皆様お待ちかね!ゲストの登場でぇす!?早速、演って頂きましょう・・張り切ってどうぞぉ!?』

待ちかねた様に騒ぎ出す周囲に押され右往左往するケロロ・・。ステージの真ん前まで流されて行った。

『な・・何事で・・あうっ!?・・ありますか!!』

転びそうになり、踏ん張ろうと下を向いた時・・其のフレーズがケロロに新しい衝撃を与えた。

『!!・・こ・・此れは・・!?』


******************


夕暮れ時、ケロロはスキップをしながら帰路に付いていた。手には若干よれた紙袋が握られていた。

『今日は良い日でありましたなぁ〜・・新しいガンプラも手に入ったしぃ・・ぶっ・・・ククク・・・あのバンドも最高でありましたな〜・・思い出し笑いが出てしまうでありますよ・・え〜と出出しが・・』

ケロロは考え事をしながらとある三叉路に辿り着いた。其処で思い出した事を、大声で・・おどけながら言った。

『あぁ・・そうそう!“才能無いから芽が出ない!?”であります!!』

其処でケロロは何かにぶつかり、尻餅を付いてしまった。

『!? ・・あいたた・・何事でありますか・・あ?』

ケロロの目の前に何時もの表情で・・しかし何と無く怒るコゴローと、これまた引き攣った笑顔で立ちはだかるダソヌ・マソが存在していた。二人はケロロに対し敵意を丸出しに睨み付けていた。あまりの迫力に焦るケロロであったが、二人を怒らせる様なことをした記憶が無い・・・得にコゴローに関しては親友と言う間柄である為、じゃれ合いはしても怒りを買う事自体が有り得ないからだ・・。ケロロは座ったままの姿勢で迫り来る二人から逃れるべく、誤魔化しながら後退りを始めた。

『いやぁ〜お二人さん・・久し振りでありますなぁ。如何したんでありますか?そんな怖い顔をして・・何か有ったでありますか・・?』

其の言葉に二人の目がギラリと光り、ケロロの頭を鷲掴み左右に揺すりながら怒りを露にする。

『・・ぶっちゃけ!確かに煩いとか騙されたとか言われるけど、君にそんな事言われるなんて心外だなぁ。』

『ケロ!?』

『どぅっ!? ケロロ!! 貴様、よくも口にしてはならない事を言ったな!?真の悪に成り下がったのか!?』

『えぇ!? いや?何事ぉ!!』

そして二人は共鳴する・・・・・。

『覚悟・・・出来てんだろうな・・・・?』

世界最高の凶悪顔でケロロに迫る二人・・・恐怖に怯えながらも自分の過去を必死に思い出そうとするケロロ・・。

<何だっけ・・・?何かしたっけ・・・?今日はガンプラ買って・・バンド見て・・帰宅の途中で・・・はうっ!!・・・も、もしや!?>
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