∬｀∀＜´∬ 紐育 につく 通り 出口以前
□｢■□COLOR HAS A CAUSE■□｣(さる作)
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■□COLOR HAS A CAUSE■□ 8.PINK ⇒ misadventure / 弥海砂
幸せの色・・・それは桃色
恋人達が触れ合ったり、見詰めあったり
幸せな時間、幸せな瞬間頬が染まる
微笑みを見せる貴方・・・応える私・・・
誰もが感じる幸せを私も感じる筈だった
出会えば変わると信じていた
なのに何故貴方の頬は染まっていないの？
私だけがこの幸せを感じているの？
私だけが貴方に恋しているの？
貴方は何時も遠くを見ている
貴方は何時も何かを考えている
貴方は何時も駆け引きをしている
・・・誰かが言う
『あの男はお前を不幸にする』
そんな事は無い！
彼はあたしを愛している！
彼はあたしを必要だと言った！
2人きりになる・・・
ソッと彼の手に触れる
振り向き微笑む彼
それを見て私の頬は桃色に染まる
幸せな瞬間に酔い痴れる
彼の腕に抱かれる―――
ふと彼を見上げる私の眼に
冷めた眼をして遠くを見ている彼が映る
其の口元には冷笑を浮かべて
ねぇ、其の眼は何処を見詰めてるの？
ねぇ、今何を考えているの？
ねぇ、貴方の心を引き付けているのは誰なの？
あたしは不運なんだと誰かが言う
愛されるべきなのに選び方が悪かったと――
全ての厄災が其の身に降り懸かるだろうと
愛に見放され、孤独になり
夢に去られ、何も残らない
冷たい月の空を見上げるだけ
届かない手
届かない声
届かない愛
傍にいるのに遠くて
近いのに見えなくて
触れているのに寒くて・・・
幸せな色、それは桃色
2人の気持ちが重なり合い生まれる色
私が本当に欲しい色
彼が私の視線に気付き私を見詰める
綺麗な瞳に私が映り、綺麗な唇が名前を呼ぶ
だけど何処か冷酷で―――
私は不運じゃない
私は不幸じゃない
私は1人じゃない
未だ・・・1人なんかじゃない
未だ時間はある
未だチャンスはある
・・・もしも・・・愛が見えない時
私は貴方の身体を眠らせて
其の身体を抱き締めながら海の底に眠る貝になろう
桃色の世界に浸りながら、ずっと貴方を抱き締める―――― 《完》