∬`∀<´∬ 紐育 につく 通り 出口以前


□「○⇒Shy Guy⇒●←L-L-Lies←●」(さる作)
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私は何時も想う・・・夜神さんとライト君は、本当に親子なのかと・・・。

何事にも積極的に向かうライト君、辛抱強く耐えに耐え出口を模索する夜神さん・・・。母親似なのかと思えば、そうでもなさそうですし・・・見ていて本当に不思議な親子ですね。

『ん?如何したんだね、竜崎・・・私の顔に何か付いているかね?』

見詰める私の視線に気付き、そう問い掛ける貴方の眼は優しい・・。

『いいえ、何でもありませんよ。』

私の言葉に不思議そうな顔をし、小首を傾げる貴方・・・もしも貴方の息子が・・・・信じると言い放った息子が、貴方を裏切っていたなら・・・・貴方はどんな顔をするのだろうか・・・?

『“キラ”の動向がおかしい・・・竜崎は如何思うかね?』

『・・・そうですね・・・』

他愛無い会話、何時もの光景。協力者と言う立場・・・協力を仰ぐ立場・・・・愛する息子を疑われている父親・・・・愛する息子を疑い、その息子と身体を重ねる関係の私・・・・それを知ったら、貴方はどんな眼で私を見るんです・・・?
怒り?悲しみ?絶望?・・・・最近の私は貴方を見る度にそんな事を考えてしまう。如何してだろうかと自分に問い掛けてみても、答えは全く不明瞭で理解しがたいものでしか無い。
おかしな物だな・・・・と、自分の心を嘲笑ってみる・・・。

『ふ・・・・。』

『? 何かおかしかったかね?』

思わず漏らしてしまった苦笑に、驚きながらそう問い掛ける貴方・・・困った様な、不愉快そうな表情で私の顔を覗き込む。

『あぁ・・すみません。違うんです。思わず・・・・思い出し笑いです。気にしないで下さい。』

そう言い繕うと、貴方は意外そうな顔をし笑って見せた。私はその笑顔にドキリとする・・・。

『・・!?・・はは・・意外な事もあるんだな・・・竜崎はそう言う事はしなさそうに見えるんだが・・・おっと・・すまない。ただ、余りにも意外だったのでな・・・気を悪くしないでくれ。』

クスクスと笑いながら、そう言う貴方・・・・何故、そんな風に微笑むのか・・・・。照れくさい様な、くすぐったい様なそんな感覚の中、私は一つの事に気が付いた。
ライト君と貴方・・・・似て無いと思った2人は、やはり親子なんですね・・。予想外な事に出会った時の顔や、仕草や笑顔が切なくなる位に似ているんですから・・・。そして同時に決定的な違いも理解出来ました。

――――同じ正義を貫く貴方方・・・違いは1人は力を行使し人々を屈服させ、もう1人は力を持ちながらも必要以上に行使せず・・ただ偏に信じ続ける――――

まるで背中合わせの2人・・・どちらが正義なのかは、人々の心次第・・・・運命とは皮肉な物なのですね。だからこそ、私は貴方方に魅かれ、貴方方を手に入れたいと望むのでしょうか?

『酷いですねぇ、私だってたまにはそんな事もありますよ?』

『そうだな・・はは・・すまんすまん・・・』

屈託無い笑顔の貴方を手に入れ、この手で思い切り汚す事が出来たならどんな喜びでしょうか?

『・・・一休みしましょう。ワタリがお茶を運んで来る頃です。』

『ん?もう、そんな時間かね?』

疑う事を知らない貴方、疑い堕とし合う事を常とするライト君・・・そのどちらも手に入れたいと望む私・・・・この中で最も恐ろしいのは誰なのか・・・今は、未だ答えは出すまい。
私は貴方に邪な想いを抱いている事を隠し、今までと同じ様に接しましょう。貴方が私に向けてくれる信頼や、希望を失わせない様に・・・・どちらも私の手元に存在し続ける為に・・・・。

『夜神さん。』

『? 何だね、竜崎。』

ここに留めて置く事で貴方の私の呼ぶ声が聞けるなら、今は未だこのままにしておきたいと望むのは罪なんでしょうね。

『・・・竜崎?』

もっと私の名を呼べ。

『何を言うか、忘れてしまいました。』

もっと私に微笑め。

『はは・・今日の竜崎は少し変だな。』

私だけに手を差し伸べろ。

『さ・・・こちらのソファーでワタリを待とう。』

何時か手に入れる。

『はい、今日のお茶は夜神さんの好きなお茶にするよう言っておきました。』

貴方も・・・“キラ”であるライトも・・・・。

『おぉ・・・それは楽しみだな。』

必ず・・・・・・・・・。

『えぇ・・・楽しみです。』

私はそうして微笑み、全てを待つ。        《完》

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