∬`∀<´∬ 紐育 につく 通り 出口以前


□「Sussudio -スス-ディオ-」(さる作)
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眩いライト達が踊る俺達を照らす。
何度こうやって抜け出して遊んだかもう分からない。
酒も煙草も悪い事は何でもした。

“悪い事”の定義を理解する為だ。
そう言い切る俺にロジャーは、単なる言い訳だと切り捨てる。
規律を守らなければいけないと。

“規律”・・・良い様で悪い言葉
“自由”を切り捨てる言葉
俺はその言葉が大嫌いだった。

メロは意外に真面目だし、目標が“二アに勝ってLになる事”だったし
見つかると暫く自重していたもんだ。
ま、そう言う人生も良いと俺は思う。

その俺にまたロジャーが言う。
“君はLになりたくないのか?”
俺は答えた“なりたくないね!”

その時のロジャーの顔、面白かったな。
でも、次の瞬間には仕方が無いなと言わんばかりの顔で苦笑いしていた。
ある程度の予想はしていたみたいだった。

確かに分かりやすいかも知れない。
たまに・・本当にたまに帰って来る2人
皆がLに向かうのに、俺だけがワタリに向かっていったしな。

そう・・・俺がなりたいのは“W”
“L”ではなく“W”
その為の事なら何でもやった。

武器の扱いも、ハッキングも何でも
情報収集のやり方も、警察機構とのやり取りの仕方も
全部ワタリがいる内にと貪欲に聞きまくった。

その俺を理解して、何でも細かく
そして厳しく教えてくれたワタリ
大好きな憧れの人
父親の様に慕った人

ゲームもダンスも女も仲間も
全部将来の布石
何時か来る“L”の称号を継ぐ者の為の物

・・・違うな。
これは俺が選んだ者の為にやるべき事
“L”の為ではない、俺の“主”の為の事

『ねぇ・・・何処から来たの?』

赤い唇の悩ましい女達
俺とメロは互いに顔を見合わせて“天国から”と答える
それを聞いて笑う女

誘われるままに身体を密着させながら踊る俺達
白い肌と鼻腔を擽る甘い香り、誘う視線・・・
ふと・・・隣に視線を泳がせる俺

金の豊かな髪を揺らしながら踊る女
目を奪うゴージャスな姿態
けれどそれ以上にライトに浮かび上がるのは・・・

俺の視線に気付いたのか不敵な笑みを浮かべるメロ
一発、KO・・途端に色褪せる世界

どんな者よりも輝かしい存在
気高く負けず嫌いな奴
俺の“主”はお前だ。

何時かお前の為だけに俺の力を使ってやるよ。
だから何時でも俺を呼びな。
世界の果てでも必ずお前の元に辿り着くから             《完》

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