kira事件、特別捜査本部・二千五◯二号室


□「-DEATH NOTE-実写シナリォ前編」さる版
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シーン1 ある晴れた風の強い午後。公園の木々が風に揺られ葉摺れの音が響き渡る。視点は風の動きで移動。木を揺らし、人々の間を抜け道路へ。車を避けながらビル壁を伝う様に上昇し空を映す。一瞬静止、突然反転し地上へと急降下する。近づく住宅街の中、広い校庭と白く光る校舎が上部に見える。その方向へと向きを変え左右に揺れながら近づいて行く。上から見下ろす様な視点のまま校庭でサッカーをする生徒を映し校舎まで行く。窓辺に人影。

視点変わり校舎の中。月 生徒がサッカーの授業を受けているのを見下ろしている。強風が校庭を駆け抜け月の居る窓辺へと吹きつける。舞い上がるカーテン、ざわめく生徒達、飛びそうな紙を押さえる教師。月 少し顔を顰めるだけで微動だにせず外を見続ける。視点 月の背後から外を見る様にしてゆっくりと正面へと移動する。


月  
『(心の声で)・・つまらない。毎日特に変も無く繰り返されて行く・・友人や家族に不満がある訳でもないし、悩みがある訳でもない。ただ心が動かす物が無い・・それだけだ・・』

視点月の正面顔。月 窓の外を見たままの姿勢。突然教科書で(軽く)叩かれる。月 少し驚き視線だけ教師の方へ向ける。視点 教師の方に移動。教科書を丸め手をポンポンと叩いている。


教師
『こぉら夜神・・お前何処見て授業受けてるんだ?ずいぶんと余裕じゃないか・・前に出てあの問題解いて来い』


教師 意地悪そうに顎で黒板を指し示す。視点 月の正面、少しして全体を写す様にして月と共に移動。 月 バツが悪そうに立ち上がも堂々と歩いて行く。すぐにチョークを手に取り書き始める。視点 教師側に移動、ゆっくりと黒板に近づき、チョークの音が止まると共に月の横に腕組をしながら立って居る。月 チョークを置き教師の方に向かい微笑みながら



『これで良いですか?』


教師 不機嫌そうな顔をしながら黒板を見る。少し間苦々しく笑いながら月の方を横目で見る。


教師
『ふん・・いくら勉強が出来ても内心が悪くちゃ話にならんぞ。授業中の態度も点のうちだ・・わが校のホープなんだからしっかりしてくれよ・・!』



『はい先生、すみませんでした。以後気を付けます』


視点  二人を中心に全体的に写す。他の生徒も囁く中授業終了の鐘、月 一礼をして席に戻る。教師悔しそうな顔をするも教壇に戻り教科書等をまとめ始める。視点 後方から全体的に  


生徒A
『起立・・礼』


ざわざわと騒がしくなる教室。月 鞄に教科書やノートを詰め込み帰り仕度を始める。立ち上がろうとした時男子生徒が駆け寄る。視点 二人を正面から映す


男子生徒
『なぁなぁ月ぉ、今日ゲーセン寄って行かねぇ?駅前のゲーセン新しいゲーム入ったし、この前の雪辱戦しようぜ!?』



『うーん・・楽しそうだけど今日は駄目なんだ。それに雪辱戦はお前だけだろ?』


男子生徒
『え〜!?何だよ・・付き合い悪いなぁ』


月 煩そうに 視点 月と男子生徒を交互に映す



『仕方ないだろ。父さんも母さんも出掛けてて家には妹だけ・・僕が早く帰ってやらなきゃ無用心だろ?』


男子生徒の不機嫌そうな顔が一転してにこやかな顔になる。視点 二人を映す。


男子生徒
『妹ってあの可愛い粧祐ちゃん?そりゃぁ大変だ。早く帰ってやれよ。何グズグズしてるんだ?』


月 困り顔で一旦うな垂れため息 男子生徒の方に向き直り



『僕もそう思ってた所だよ・・だから其処を退いてくれないか?』


視点 月の後方から男子生徒を見る。男子生徒首を傾げ“あぁ”と言う顔をしてから一歩下がり道を譲る。月 “どうも”と言う様に首を傾げ、席を立つ。


男子生徒
『粧祐ちゃんに宜しく・・またな!』


視点 廊下を行く月を映す。月 後ろを振り向かずに手だけで答え去って行く。視点 住宅街に移動 月 ややうつむき加減で歩いて行く。視点 月を見下ろす様に上部に移動、徐々に近づいて行く。視点 月正面やや離れた位置から



『(心の声)・・誰と何をしてもつまらない・・何処かに僕の心を満たしてくれる物が在るんだろうか?僕を常に飽きさせず、夢中にさせてくれる何か・・存在するのなら一刻も早く現れてくれ!!』


視点 月の後上空 一瞬黒い影がよぎる。月 気配に気付き振り返るが何も無い 間 前を向き歩き出そうとするが足に何かが当たり立ち止まる。視点 月の足元 靴先に黒いノートが落ちている。視点 月の不思議そうな顔、少し引いてノートを拾う月の後方に回る。
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