<;丶`Д´>紐育 につく 通り 入口以前
□「STOP! IN THE NAME OF LOVE」(さる作)
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『クルル、早く行こうぜ!』
立ち上がろうとするセンパイの手を、俺は強く引き止めた。その反応に不思議そうな表情を浮かべ、俺の顔を見詰めるセンパイ・・・・。
『センパイ・・・あのさ・・・・』
もう止めて部屋へ戻ろうぜ・・・そう言いかけた途端、俺の身体はポンっと言う音と共に元に戻った。
『あ・・・』
小さく呟くセンパイの声・・・・俺の手の中には未だ小さな赤い手が残っている・・・。
『あり・・?』
何処と無くがっかりしたようなセンパイの顔に、バツが悪い俺はどう言葉をかけ様かと迷ってしまう。大人として子供に言い聞かせるように言うのか、何時もの様に恋人同士として言うのか・・・・いや、でもそれは如何だろうか?そうこうする俺を見るセンパイの顔がどんどん不機嫌になっていき、俺の手を引く力を強めてくる。でもそこは子供の力・・・大人に戻っちまった俺を立ち上がらせる事は叶わず、ますますセンパイは不機嫌になって行った。
『センパイ・・・センパイ!ちょっと落ち着けよ・・・何をそんなに怒ってるんだ?』
そう言いながら引き返す俺の手の中に、センパイはいとも簡単に引き込まれえる。何時もとは違う小さな肩が悔しそうに手の中で暴れる・・・・。
『・・・・怒ってなんか無い・・・!それよりも早く・・・・早く行こうよ!?』
『行くって・・・マジでやるつもりかよ?もう良いよセンパイ、俺楽しんだし・・・。』
『良くない!』
突き飛ばす様に両手に力を込めて見るも、センパイは俺の手の中から出る事は出来なかった。それが悔しいのか、大きな黒い瞳が潤み始める。驚き戸惑う俺は言葉をかける事が出来ず、ただセンパイの目を見詰め続けた。俺の好きな・・・・真っ直ぐな瞳・・・・。
『良くない・・・・まだ・・・一緒に・・・・』
泣きそうな声がそこで途切れ、小さな肩が震え始める・・・俺は如何して良いのか分からず・・・・ただ泣かせたくなくてセンパイのおでこにキスをし背中を優しく叩いた。
『・・・・・・もう良いよ・・・・・もう充分楽しんだよ・・・・・こんなに楽しいのは初めてだったよ・・・・こんな・・・何にも考えずに・・・・心の赴くままに遊ぶのってなぁ良いもんだな・・・ご免なセンパイ・・・・つまんねぇ事言ってさ。それと・・・・・その・・・・・・・―――な・・・。』
未だ戻らないセンパイに如何言い聞かせれば良いのか・・・必死に考えながら、それでもこの人にはちゃんと自分を伝えたくて言葉を繋いだ。最後の“有り難う”は顔から火が出そうな位だったが、センパイの耳元で囁く様にしか言えなかったけれど・・・・。
『クルル・・・・本当に・・・・?未だ本格的な行動も、攻撃もしてないけど本当に満足なのか?俺、クルルの為ならどんな事もやれるぞ?』
――――・・・!?もうもうセンパイからは聞けないだろう言葉に、頭が沸騰しそうになる。その言葉がどれだけの破壊力を持ってるか、センパイ考えた事ねぇだろ!?
『・・・・・・センパイ・・・・気持ちは有り難いけど、本当に俺を想うならもう止めようぜ・・・・?』
何か言いたげな小さな唇に、チュッとキスを落とす。すると一瞬センパイの身体が石の様に硬くなり、次に爆発するんじゃないかと思う位に身体の熱が上がっていった。そして俺と同じ様にポンッと音を立て元の姿に戻ると、必死に腕の中から逃げようともがき始める。
『ク・・・クルル、放せ・・・!』
その慌て振りが愛しくて、俺は再びセンパイにキスをした。今度はちゃんと大人のキスを・・・心を込めて・・・な。 《完》