<;丶`Д´>紐育 につく 通り 入口以前


□「゚・:*☆〓 You're My Only Shinin' Star 〓☆*:*゚」(さる作)
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彼がその罪を犯したのは、その雨の日から1ヶ月を遡った夕暮れ時だった。
その地域は以前から少年チーム同士の争いが絶えなかった。毎日が暴力と恐怖に包まれていたその街に彼は突然現れた・・・・彼はその圧倒的な頭脳と力で、バラバラだった勢力を一つに纏め作り上げようとした・・・その『彼』の名はメロ・・・外見からは想像も出来ないほどの強さと、考えも及ばなかった方法を各チームに提案し徐々に信頼を勝ち得ていた。
いや・・・利害が一致したと言った方が過言では無いだろう・・・・。それはどのチームにも共通した問題の解決法を提示したからだった。

『この街を取り仕切るマフィアを掃除し、この街の住人が何もかもを取り仕切る。』

この誰もが考え、挫折した物を彼はやり遂げてやると宣言したのだ。その行為の見返りは自分がリーダーであると知らしめる事・・・協力さえすればその他の利益に関する何もかもは各チームに公平に分配する事を彼は約束した。その自分ならばしない提案に少年達は疑い、その天使の如く見紛う姿を甘く見た者達は彼自身を従えようと襲い掛かった・・・が、その考えは虚しく悉く病院送りとなる・・・。

『ふん・・・どいつも大した事ねぇなぁ・・・。』

統一までの数日間・・・・これは彼の口癖となった。彼は何組かのチームを手中に入れた頃、他のチームを納得させる為の行動に出た。それは“無血で強盗を成功させ、罪をマフィアにきせる”と言う物だった。

『無茶だよメロ!出来る訳が無い!?』

『そうだよ、もし失敗したら・・・・』

動揺し躊躇する少年達に、メロは不敵に微笑みこう答えた。

『・・・・お前等がする事なんざ微々たる事だよ、重要な役は俺がやる。お前達はただ“俺は此処に居た”と言い張ればいいんだ・・・・簡単だろ?』

『たった・・・それだけ・・・?』

不思議そうに尋ねる少年達に、メロは小さく頷くと野心に満ちた眼で見詰め返した。

『そう・・・たったそれだけだ・・・けど、重要な事柄なんだぜ・・?何がおきても・・・親や兄弟が殺されても、沈黙を守らなければならない・・・・。無論自分もだぜ?』

その言葉に唾を飲みこむ少年達・・・不安に駆られ動揺を隠し切れない少年達の心を、メロは狡猾に見透かし畳み掛ける。

『なぁに・・・大丈夫さ・・・俺の信頼できる友人が、お前達とお前達の家族に及ぶ危害を払いのけてくれる・・・こうやってな。』

『え?』

メロの言葉が終わらない内に、何処からか一発の銃声が鳴り響き少年達の間に這う虫を撃ち砕いた。驚く少年達を悪魔の様な微笑で見下ろし、窓辺へと向かうメロは更なる追い討ちをかける。

『見てみろよ・・・・今日もあいつ等が金を巻き上げに街をうろついてる・・・・。トミー、お前のお袋さん・・・花屋だったな・・・一昨日、どんな目にあった?グレッグ、お前の妹・・・あいつ等にぶつかったって言うだけで痛い目遭わされて入院中だっけ・・?ジャック・・・・お前の家族が住んでる家・・・あいつ等に追い出しかかってるんだろ・・・?他の奴等だって何かしかやられた記憶・・・あんだろ・・・?今度は俺達がやり返す番さ・・・危ない橋は俺が渡ってやる・・・お前達は沈黙を守りきれば良いのさ・・・・。』
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