kira事件、特別捜査本部・二千五◯一号室


□「渚の♪カンパリ・ソーダ」(さる作)
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「あら、嬉しい。やっと言ってくれたのねV」

その声に驚き後ろを振り返ると、彼女がバスルームから髪を拭きながら出て来て微笑んでいた。俺様とあろう者が何で考えなかったんだろう。そうだよ、隣に居ないからって帰ったとは限らないじゃないか。シャワーを使っているってなんで・・・うわぁ・・は、恥ずかしい。何か言わなくちゃいけないのは分かっていても声が、言葉が出てこない!?・・あせっている俺に彼女は近づき、空よりも蒼い瞳で俺を見上げ不敵に微笑む。俺はその瞳から目が離せない・・彼女の頬は上気し濡れた髪からキラキラと雫が滴り落ちている。本当に美しいと思った・・。彼女の手が俺の頬に触る。

「・・どうしたの?お早うのキスはしてくれないのかしら?」

彼女の悪戯っぽく笑う顔は好きだが、今日は意地悪く見えるのは俺が照れているからだろうか・・そして彼女は其の侭腕を首に巻きつけ唇を合わせてくる・・。優しいキスを繰り返し交わし、耳元で囁く。

「お馬鹿さん、私も愛してるのに気付かなかったのは逃げてたの?それとも鈍いの?」

再び顔を覗き込むきつめの蒼い瞳・・参った・・降参だよ・・苦笑いして彼女を抱き寄せると彼女の身体からタオルが外れる。お互い生まれたままの姿で熱いキスを交わしこのまま情熱の趣くままに・・と思ったら彼女からいきなりストップが掛けられた。

「・・ぁん・・だぁめ・・新しい日に昨日を付けたままの身体で・・貴方もシャワーを浴びてきなさいV 今日のはすぐに落ちる様に口紅にしてあるでしょ。私は此処でこのグラスに残ったお酒を飲んで待っててあげるからV さ・・行ってらっしゃい、Baby」

そう言ってテーブルの上に残ったカンパリの入ったグラスを取りベットに横たわる。

「あまり待たせないでね・・V」

あぁ・・もう駄目だ・・・でも、捕らえられたのが君で良かったと思う自分が居るのも事実だし、此処は一つ観念しますか。今までは俺に女達が、今度は俺が君と言う美酒に酔う番らしい・・・永遠に醒めない酒だけどねV 構わないさ。俺は君の物だよ、ハニ―。     《完》
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