kira事件、特別捜査本部・二千五◯一号室


□「Turn a dial<M>」(さる作)
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  ― 過去を振り返ると何時も奴が前に居た ―

物心ついた時から何時も競争相手としてあいつ“二ア”が居た。どんな些細な事も頭一つ飛び出していたあいつは、俺の目の上のタンコブだった。何をしてもどんなに努力してもほんの少しの差で何時も“二番”にしかなれない俺・・・どんなに嫌味を言おうと顔色一つ変えずにサラリと交わす“ニア”・・あいつの表情が変わる事なんて滅多に無かった。
あいつの表情が変わる時、それは“L”に関わる時と相場が決まっている・・・ほんの僅かだが頬が染まるのだ。俺は正直それが面白くなかった・・俺に関係する事でそうなって欲しかったからだ。俺の欲しい物はあいつの関心、見詰める眼、名を呼ぶ声、奴自身。
こう言うのを恋と言うのか、それとも執着と言うべきなのか・・・パズルや玩具と等しく扱われている自分への情けなさと逸れに対する怒りが全身を蝕んで行くのが分かる。言わなくても良い嫌味や苛立ちをニアは黙って聞き、顔色一つ変えずにほんの一言二言で俺が言い返せない様な言葉を、その薄い形の良い唇から奏でる。それに対してますます苛立ち、最後は取っ組み合いの喧嘩になるが此れすら勝てない・・・!この狭い世界で一番になれないのなら、外へ行こう。外の世界を沢山経験し、奴よりも世界を広めよう。そうする事で何か一つくらい勝てる物が出来れば俺はもっと自信が持てる、伝え様と思っている事も伝えられる・・俺と言う人間の持て得る限りの能力で手にし得る世界を手に入れ、其処で“L”の懐刀の一つでは無い“メロ”と言う俺自身を作り上げ、何時かあいつが危険な時に助けてやれる様な力を身に付けてやる・・・そう考えてワイミーを出たのに、負けたくない気持ちばかりが先行して上手く行かない・・!裏の世界をどれ程牛耳ろうと、奴よりも早く“キラ”と“二代目L”に秘密に近づこうとしても結局は二アの掌で遊ばされているような気がしてならない・・。きっと考えている答えは同じ。導き出される結論は・・・ロジャー、あんたの言う通り二人が手を取り合えばどんな困難にも負けない者になれるだろう。それを見抜いてたあんたは凄いよ。だけどそれじゃ駄目なんだ!俺はあいつ・・二アに“お前が欲しい、お前が必要だ”と言わせたいんだ・・・こんな片思いのままでは嫌なんだ!!その為には、例えどんな危険が待ち受けていようとも奴に勝たなくてはいけないんだ・・・どんなに無様な結果になろうとも自分のやり方を貫き通してやる。其れが俺の愛情の証で有り、俺の生き方だから・・・。俺の手の中に有る携帯・・・奴と俺を繋ぐ唯一つのメモリ、ワイミーを出る時に奴にだけ残した俺のメッセージ。俺と二アの心の繋がり・・・“M”
      《完》
 

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