kira事件、特別捜査本部・二千五◯一号室


□「OWNER of Lonely Heart」(さる作)
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・・・まったく、あの子ときたら幾つになってもお馬鹿さんなんだから・・・母さん泣けてしまうわ・・・あ、あら、失礼しました・・皆さん始めまして。テルの母です。いえ、元母ですわね、私死んでますしvV
そう・・・私が死んでからと言うものあの子の独り善がりの妄想癖のナルシスっ振りは輪をかけて酷くなっている様で・・・皆様にご迷惑お掛けしない様に背後霊さんにもキツクお願いしたんですけど、平安調の方からは“もームリ!”と言われ、中世貴族調の方からは“トレビアン!男ならこうでなくてはイケマセ―ン”とあの子に負けず劣らずなポーズ決められるしでもう指導しなくてはならない人達(?)も含めて手に負えない野放し状態になって来ているんです・・・。私はと言えば、死ぬ寸前にあの子に滅茶苦茶嫌われていたらしく思い出されもしなければ、夢にも出て来ない始末で・・・あぁ、でもこの間少―し思い出してくれたみたいでしたね、一瞬、ほんの少し、5秒位。・・・化けて出た所で気にして貰える訳も無く、声も届く訳も無く・・・深〜いため息を付く毎日を送っております。思えば、小さい時からこんな感じの子でしたわ・・・赤ちゃんの時はカメラを向けると必ず変なポーズをする子で一枚も普通の写真が撮れなかったり、幼稚園の入学式の時は鏡の前で一時間以上動かないで自分のスモック姿にうっとりしていて遅れたり(後ですごい大泣きしたっけ・・“僕の人生の第一歩が汚された―とか何とか・・)小学校入学の時も“今度こそ輝かしい第一歩を!”とか言っておじいちゃんに勉強や体術(!?)習ってたわねぇ。“お父さんに習えば?”って言ったら“先人の知恵侮る無かれですよ”なんて反抗されたっけ・・結局、教えてもらったのが旧漢字やら旧仮名で校長先生に懐かしがられただけで同級生からは引かれていたっけ・・・本人は分かってなかったみたいだけど。“僕の知識の広さに驚いて近づいて来れないんだよ”って自慢してたし・・・この辺までは可愛かったのよね〜・・言っている事も子供らしさを残していてたまーにチグハグだったりしたし、カレーとハンバーグ大好きだし、おばあちゃんの作る大学芋が大好物だったり・・・vV顔がパパ似で良かった―と本気で思ったものですわ。それなのに、この後大きくなるにつれてどんどん自分よがりのお馬鹿さんになって行くじゃありませんか!・・・普通、お年頃になったら女の子の事で思い悩んだり、男の子特有の朝のどきどきパンツ洗いとかで母親の私も“きゃーどうしましょう!”なんて考えたり・・・あるのかなーって思ってたんだけどね―・・アリマセンデシタネ・・。機械仕掛け?とか思って寝顔つついた事もあった位・・でも、超絶可愛い寝顔見てると“ま、いっか―”って、駄目ですねぇ母親って、息子にあ・ま・す・ぎV 分かってはいるんですけど。中学に入っても相変わらず正義感の強い変わり者と噂され続け(母が知るのに本人知らず)、いじめられっこかばったり、いじめっ子に絡まれたり、自分なりに行動してやってたんですけどネ。大体が後でP.T.Aとか有ると嫌味言われたり、相談されたりで私の方が大変だったのに・・・あの子気付いてもくれなかったのは寂しかったわ。だからあの子が相談してきた時もつい、“てめー何言ってるのか本当に分かってんのか!?”とか思っちゃって、つい意地悪言ってしまったんです。そしたら物凄くショックを受けた顔をして・・・今思うと可哀想な事をしたと反省しているんですけど、その後の般若の様な顔された事を考えればお互い様ですむと思うんです!その後は皆様ご存知の通り、事故死してしまう訳なんですけど・・・気が付いたら背中に羽はあるし頭の上に輪があるしでびっくり!その上神様らしき人に“お前の息子がこれから大それた事をしでかしそうだから何とかしなさい”とか言われるしで、死んでからも悩まされてる現実に泣いて良いのか、怒って良いのか・・・フー・・最近本当に変人道まっしぐらの上、神とか呼んでる人にまで迷惑かけ始めてるしで手に負えない状態になってしまったし・・・取り合えずあの子がこの先どんな人生を歩もうとも見捨てはしないけど、どうして良いかも分からないので此処は一つ腰を据えてご先祖様交えて見守ろうと思ってます。見るだけ、ですけどネV 皆様に迷惑お掛けしますでしょうけど生温かい目で見守っていてあげてくださいね。
     《完》
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