京都市左京区吉田新町一の□□□の一の一千◯一十二


□「KERO NOTE - ケロノ-ト - ww」(さる作)
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『ほうほう・・・人の名前がびっちりと書かれているでありますな。書き取りの勉強でありますか・・いやぁ、感心感心・・おんや?名前の横に何か事細かに書いてありますな・・“電車を降りて3秒後に死亡”・・お医者さんにでもなる為の勉強でありますかな??』

ノートを持ったまま首を傾げるケロロの横から、リュークがノートを指差しながら話し掛けて来た。

『違う違う・・・此れは其の名前の奴の死因!こいつが如何死ぬかを此処に書くと、現実にそうなるノートなんだ。』

『ほうほう・・・其れはご親切にどうも・・・・・』

にこやかに微笑みながらリュークの方を見たケロロは、眼が合った途端固まった。暫しの間を置いて、布を引き裂く様な悲鳴が室内にこだまする。

『ケ〜〜〜ロ〜〜〜!!!!』

其れに驚いて振り向いたギロロの上にケロロが放り投げたノートが落ちる。

『!? 如何した、ケロ・・・どぅおわぁぁぁぁ!?』

白目をむき、倒れるギロロをクルルが支える。と同時に手がノートに触れる。

『!? センパイ!?・・・・・ク?』

ギロロを抱えたまま全身に滝の様な冷や汗を掻くクルルの様子に、ドロロが心配そうに近付く。と同時に無理やり手をノートに持って行かれ触れる。

『二人とも大丈夫で御座る・・か・・ヵヵヵ?』

動揺を隠し切れないドロロに、タママが近付いて行く。と同時に偶然ノートに手が触れる。

『ドロロ兵長?如何したですぅ・・・・ぬぅわんじゃあ、おぬしゃぁぁぁぁ!?タママ・インパクトォ!!』

パニックになったタママが放ったタママ・インパクトはリュークをすり抜け、天井を貫いた。小隊一同ダッシュで逃げ帰り後に残されたリュークは、食事と林檎を持って上がって来た月の世にも恐ろしい顔を見るハメとなる・・・。さて、逃げ帰った小隊一同。気を失ったままの赤だるま1名を除き、作戦会議を始めた。

『なんだったんですかぁ、あれぇ!?あんなの居るなんて聞いて無いですぅ!!』

『あのような物の怪を操るとは・・・あの少年侮れないで御座るな・・。』

『もー、皆何言ってるでありますか!?我輩達、地球侵略のい〜いヒントを貰ったぁ・・んでありますよぉ!!』

『本当ですかぁ?軍曹さん!?』

『ゲ〜ロゲロゲロゲロ・・・我輩、確かに聞いたであります。あのノートに書くと書いた事が現実になると・・つまり、あのノートと同じ物を手に入れれば!』

『俺達は何もしなくとも、地球侵略完了ってか・・・ク〜ククク。』

『其れは誰も傷付く事無く出来て良いとは思うで御座るが・・・どうやって同じ物を獲得するので御座るか?』

『其れもそうですぅ・・あの人貸してくれそうもないですしね・・』

皆が頭を抱える其の時、不敵に微笑むケロロは1枚の切れ端を差し出した。其の姿はまるで神が何かを輝かせながら取り出す様に見えた。

『おお!?其の無駄に輝く其れは!?軍曹さん!!』

『そう!! あのノートの切れ端であります!?此れを分析して同じ物を製造するであります!クルル曹長!!』

『ククク〜任せときなぁ・・・何が出来るかはお楽しみだぜぇ。』

何が出来るのか想像すると凄く怖い事になりそうな気もしないまでも無いが、取り敢えず話の進行上放置して其の2日後の事・・・指令本部に召集した小隊一同はクルルの説明に耳を傾けていた。

『パッパカパッパッパ〜♪“ケロ・ノート”ぉ・・・こいつはなぁ、名前を書いた地球人をケロン人に変えちまうノートだぜぇ・・・クク・・・あのノートを分析したが地球上には有り得ない物質で出来ていやがってよぉ・・其れと似た様な物を探すのに苦労しちまったぜぇ・・・結局、デス星の変身物質が一番近くて手に入りやすかったから代用しちまった。効果は3日間、取り扱い説明書はさっき渡したろ?・・・じゃ、後は隊長達で頑張ってくれよ・・・ククク〜』

『えぇ!何其れ、ちょっと、クルルぅ!?』

ケロロが引き止め様とするが、クルルは其の侭ラボへと降りて行った。

『あ・・・ギロロセンパイだけど、この件に関しては関わりたくないから俺に何も言って来るなって言ってたぜぇ・・クク〜・・つう訳で、邪魔スンナよ?』

ドップラー効果の様な声を残して去って行ったクルルに、呆れ顔の3人・・ケロロ・ドロロ・タママは説明書を読みながら日向家に上がって行った。

『取り敢えず、この家の住人で試してみるであります。でぇ・・・名前書けば良いでありますかぁ?』

『え・・・と、“付属のペンで名前を書き込む”って書いてあるけど・・・ケロロ君、本当にやるの??』
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