◇水面に浮かぶ泡沫の舞曲◇
□泡沫の記憶
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もしも
明日にでも
私が
この世界から
忽然と消えてしまっても…
そんな事を想いながら
病室の冷たい窓から
外の蒼い空を見上げる…
きっと
時間の経過とともに
存在の影を失い
人々は私を置いて
歩いていく…
そして
何事も無かったかの様に
また
世界はまわりだす・・・
そんな事…
きっと前から分かってたはずなのに…
…
だけど
せめて・・・
彼方の記憶の中で
生きていきたいよ・・・
こんな事を願ってしまう私は
きっと相当なワガママだろうな…
でも
少しだけでいいの…
忘れないで…
私が生きていた事
私の軌跡
私の声
私の笑い顔
私の体温…
ほんの少し
私という存在が居たという事
心の隅に置いておいて…
私も彼方の事
忘れないから…
ずっと…
***