小説

□赤白のお客様
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甘味処『甘味処』


店内はそれぞれ敷居があるテーブルが6あり、畳と襖を使うことで和の空間を作り出してみました。
落ち着いた雰囲気で様々な年齢の方の事を考えた配慮で、その結果は大きくて人気も出てきています。

が、しかし、今現在私以外の人物は存在していませんね。

私は一杯お茶を飲むと、普段は多少騒がしいこの場所も、やっぱり落ち着いた空間になっていることに落ち着きを覚えます。
甘味処とあって若い女性が4割を示すほど来ますから、少し興奮ぎみ。ですけど六割はその他ですから、そういった方々が落ち着いた雰囲気を甘味処に与えています。
おっと、この甘味処、『甘味処』という名前の場所なんですよね。何て言うか、色んな人が「おーい甘味処行こーぜー」とか言ったら勘違いしてここに来てくれるように、そう言う名前にしたんですよ。
はっはっは〜商売上手と言ってくれると嬉しいです♪なにしろ効果は上がってますから。


おっと、別に今日はお客さんが来ない訳じゃなくて、ただ休日なだけなんですよ。流石にバイトさんを雇っても忙しいですから、たまにはこうして休みを取らなきゃ過労で倒れます。まぁ人外ですから多少丈夫ですけどね。

今日はこうして手元にある帳簿を整理しながらお茶を飲んでゆっくりと過ごす。
某腋巫女の顔をモデルにした、『ゆっくりしていってね!』というお饅頭を出したら、かなり売れたので今回も黒字ばかりでほくほくです。
というわけで今日はそのお饅頭を食べながらのんびり整理を終わらせて、1日を有意義に使いましょうか。


「こんにちはー、刹菜さんいる?」


…と、そう言った側からお客さんですね…あれ?
今日はお休みだからちゃんとCLOSEにして、暖簾も中に入れてあったはずなんですけど。
おかしいですねぇ…っと、そうでした。このお饅頭のモデルになった巫女さんでしたか。

頭におっきな赤いリボンに、綺麗に肩を見せるような巫女服を着こなす博麗の巫女さん。
正直かなり可愛い服装でお店の制服にしたいですけど、冬は寒そうだし一般の方が入りにくそうなので、やっぱり普通の着物を制服にしざるを得ません。まぁ着物は好きだから良いんですけどね。


「はいはい、居ますよ博麗さん。少しその辺に座って待っていてください」


こうして今日の話し相手は決まったようですね。
私はもう1つ湯飲みを持ってくると、自分の座っていた場所の反対側に座っていた巫女さんを見て少しだけ笑いました。
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