小説

□博麗のお客さん
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「まぁ…友達と言うのも1つの繋がりです。生きている者はそうした物があるから面白いんですよ」

少したち、ゆっくり霊夢さんが落ち着いたところで、私はそんな言葉を呟きました。
生き物同士の繋がり、それこそが生きていく中での一番の経験値ではないかと私は思います。

「ふーん、刹菜さんもそういう事を考えるんだ。でもそれって全員が全員そうってわけじゃないんじゃない?」

霊夢さんは不思議そうに首をかしげました。
確かにそうですね。私が他人の考えを理解することはできませんし、知ることもありません。

「ですけど独りで居ることほどつまらないものは有りませんよ。それは人間も妖怪も変わりません」

かくいう私は妖怪では有りませんが、人間かと聞かれれば少し間違ってます。人間の中でも生命力が異常といったところでしょうね。

「博麗さんもそうじゃないですか?霧雨さんやアリスちゃ…さんと言う友人がいて、そこから色んな方に出会い今が有ります。それって凄く楽しいと思いませんか?」

「片方は限りなく厄介者だけど、つまらなくはないわよ。そういう事を考えると博麗の巫女って言うのもけっこう悪くないわね」

そう言った霊夢さんが心なしか嬉しそうな表情をしているのを見て、思わずこちらも嬉しくなります。
そう、色んな方が霊夢さんの周りに集まって日々を楽しんでいます。
ロマンチストと言われるかもしれませんけど、それって凄く素晴らしいことなんじゃないかって、私は思いますよ。

「…残念です。脱巫女した博麗さんがサラシ一枚になるのを見てみたかったんですけどねぇ。おぉ、少年には見せられません」

「だから絶対に言ってることがおかしいと思うんだけど。私の巫女の部分って服だけなの?」

私がちょっとふざけたような事を言ったら、霊夢さんはむくれて頬を膨らませたのが分かって思わず吹いてしまいましたね。
こう見るとやっぱり普通の女の子と何ら変わりはありません。
だからでしょうか?私がどうしてもため息というものをついてしまうのは。
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