loud songs

□両翼の君は
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はいどにとって、この現実世界に魅力的な物はないの?

悪魔や、それにまつわるもの。空、風、雪、天体や、巡る四季。死そのものはもちろん、死後の世界やそれに付随する他者の感情。

はいどが興味を示すものって、どれも非日常的なものばかりだ。

自らの背に、偽りの翼を負って。
どこへ行ってしまうの?
俺の届かない遥か遠くへ、飛んでいってしまうの?
俺が側にいるこの地上では飽き足らない?
空には、もっと素敵なものがあるの?


はいどがいなきゃ飛べないのに、片翼の俺を置いて?


刺青を彫って、うれしそうに見せてくれた笑顔のせいで、決心は砕かれた。
この想いは伝える前に形を無くす。
俺は、君と連理比翼に、と望んだ。



置いて行かないで…



両翼の君は、今日も、俺が同じ高さからその景色を臨んでいると信じて、俯瞰で―――



end

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