早すぎる自叙伝
□早すぎる自叙伝
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97.<19回目の夏>
ほとんどのみんなが10日間のロンドン遠征へ出発した。
アパートも静まり返りすぎて、寂しくて寝不足ぎみな私。
私と1つ上の先輩のヨッシーさん(今もジェフでチームメイト。)は、国体の神奈川県代表としてチームとは別で全国を目指し関東大会に備えた。
「今頃みんなロンドンかぁ。」ヨッシーさんのつぶやき。
二人して空を見上げてた。
「イッシーとサッカーできんのマジ楽しいよ。だから頑張ろうね!」
大好きな先輩からの言葉に涙が出そうなくらい嬉しかった。
「はいっ!!」
関東予選が始まる。
順等に勝ち上がり、決勝戦は東京。ほぼベレーザだった。
意識がもうろうとするくらい暑かった。
ここに勝たなきゃ全国へは行けない。
強い気持ちと集中力はいつも最大の武器になる。
でもそれをみんなが持つ時、厳しい試合をひっくり返す事ができる。
それでも勝負は勝負。
手をぬく奴なんかいない。
0−1で負けた。
確か最後の最後で決められて…。