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□恋は盲目？
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恋は人を盲目にするという…
そんなの、冗談だろうと思ってた。
だって、恋したからって、
その人だけに夢中になるなんて…
絶対有り得ないって。
特に、
俺の場合なんて…
【恋は盲目？】
俺、安藤翼。
１４歳。
アリス学園に通う、中坊。
俺は、今、非常に困った事態に追い込まれている。
それは…
「よっ、翼！」
「げ…殿…」
そう。
「なんだ、その反応は！」
こいつの所為。
この、殿内明良とか言う、
エロ魔神の所為。
「折角、恋人が逢いに来たっつーのに」
「恋人言うな！」
そう。
実は、俺。
こんな男にほだされてます。
実際、好きか嫌いか聞かれたら、多分、嫌いな分類。
女遊び激しいし、エロいし、ロリだし。
でも、多分好きだから。
付き合おうって話になったんだ。
じゃなきゃ、真性でもない俺が、男と付き合うわけがない。
それは、きっと。
殿も一緒。
で。
さっきの悩みに、話が戻る。
俺の悩みは、こいつとのこと。
実は、最近。
嫉妬を覚えた。
いや。
嫉妬というか、何と言うか。
とにかく、困ってる。
まさか、自分が嫉妬を覚えるだなんて思っても無くて。
正直、どうしたらいいか判らない。
だって、相手は、蜜柑だ。
蜜柑だぞ、蜜柑！！
大人げなさすぎて涙が出てくるってんだ…
落胆する、俺を見て、殿が首を傾げたのが見えた。
「どうかしたか、翼」
「なんでもね…」
おまえが原因なんだよ、
このタコ…！
原因不明の病で、
絶対そのうち倒れる気がする。
こんなに思い悩むのは初めてだから。
「はぁーー…」
長いため息を付くと、不意に殿の手が…
「どーした」
柔らかい声と一緒に降って来た。
―――ドキッ…！
胸が、
鼓動が、早鐘を打つ。
「べ、べ…つにっ」
やばい。
やばいやばいやばいやばいやばい。
顔に出そうだ。
この動揺が…
赤くなったであろう、顔を背ければ。
殿の手が今度は俺を引っ張った。
「…！」
「うそつけ」
ふわりと触れた唇に、俺は一瞬固まった。
いま…
キスした…？
また顔が、一気にのぼせ上がる。
「うわぁぁっ！？」
パニック状態というのは、まさにこれだ。
恥ずかしいことに、奇声がでた。
殿…
もう、俺ダメな気がする。
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