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□明かりの痛み
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明かりが痛い。

月の明かり。
太陽が照らす明かり。
街灯の明かり。
屋内灯の明かり。


全てが痛い。




【明かりの痛み】


太陽も、月も。
空も、空気も。

この世に存在するもの全てが、私は嫌いだ。

私は、私を閉じ込めた全てに
私を裏切った全てに。


いや。
私以外の全てに、恨みを抱く。

嫌いなのだ。
私ばかりを照らさない光が。

明かりという、この世の、光の全てが。

だから。
あれも、嫌いなのだ。
目をかけているのは、

同じなのだと、知らしめるため。

別に、好いているわけではない。
馴れ合っているわけでも、
ましてや、


気に入っているわけでもない。

私と同じ闇を
与えてみたいだけ。


だから。

私は、あれをお気に入りにした。

同じように、人に疎まれ。
嫌われ、翳り

くすみ、
身動きが取れなくなってしまえば、
面白くて
滑稽で、


笑えるではないか。


堕ちて、堕ちて。
抜けれなくなればいい。

堕ちて、堕ちて。
縛り付けて、


幽閉してやる。
私がそうだったように。

お前も、同じ絶望を味わえばいい

私は、自由など知らなかった。
自由などなかったというのに。

お前だけが、自由であるなどと。

私は赦さない。


手を染めて
手を汚して


朽ちて、朽ちて、


皆に嫌われれば良いのだ。


お前は私。

私はお前。


私達は、同じ目をした同じ種だ





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