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□恋は盲目?
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「んぁ…っ」
「ここがいいのか?」

殿の指が、俺の胎内を、弄る。
気持ち悪かった感覚が、どんどん快楽に変わって


もう、何も考えられない。

「い…ぁ、んっ」
「翼。声、聞かせて」

「や…だ…っ…」
「いいだろ」

み、耳元で囁くなッ

まじ、死にそう…
はずかしっ…

「翼」
「な…にっ」

「つばさ」
「だか…っ、あ」

「つばさ」


殿の声に、溺れる。

「イケよ」

「っあっ…―――!」



殿の手の中で

果てた。

肩で息をする俺の肩を抱いて、耳元で、殿が囁いた。


「翼、お前が欲しい」
「!?」

は、は?

きき、間違いだろうか

はい?
「お前の中に、入っていいか?」

「ぇ、ちょ…ま…」

制止の声なんて、届いてなかった。
さっきまで弄られ続けてた、俺のケツに…


殿が入ってきたのが見えた。

「ぅああぁっ…!?」
「っ…きつ…」

あ、当たり前だってば…っ

うぁ…
へ、変な感じっ…!


「と…とのぉ…も、や…ら」


異物感が…
おっき…

「力抜けって」

ちゅっ、と額にキスが降ってきて
指を絡められた

暖かい、指


あぁ…もう、本当
あんたしか見えねーよ


俺、もうだめだ

「ん…ついて…」
「ぇ?」
「奥まで…っ、突いて…殿で、一杯にして…」

「つば…さ?」

もう、
いいや。

俺、無駄な足掻きやめるよ。
どんなに、
ありえないって思ったって。

この感情は、明らかに消えない。

いや、膨らんでいくばかり。


殿で、一杯になっていく。

殿の、ことしか考えられない。

「も…俺以外、見ないで…」


恥ずかしいけど。
これが、恋っつーなら


それを受け入れるしかねーよな。

「殿、俺…あんたを、独り占めにしたい…」
「…そんなこと言っていーのかよ」

「も…なんか、いちいち考えんの、めんどくなってきた…から、いい」

あんたを、くれれば…

「んじゃ、翼の気が変わらないうちに…」
「っ、ん…」

ぐっ、と
脚が持ち上げられて、

深く、

「っああぁっ…!」
「つば、さ…」

深く…

「あ、ぁ…あ、あぁ…っ」

深く……



繋がっていく。


「つばさッ…好きだ」
「俺…もっ…」

「一緒に、イこう、翼」
「んっ」


上り詰めてくる、快楽。
張り詰めてくる、快感。

殿…

「んっ、んっ、んっ…」
「翼…っ」

イク…


「つばさっ…!」
「とっ…のっ…!」


何かが、上り詰めて
はじける間際の、むず痒い感覚が、


殿とのキスに交わって、

弾けて、飛び出した。




「愛してる…っ」






恋は盲目。
好きになったら、その人以外、視界に入らない。


そんな思い、
俺は知らなかったし、

知りたくもなかったし、

ありえないと思ってた。

だって、その人以外が目に入らない状況なんて、
俺は知らなかったし、


これからもないと思ってたから。
自分には、


関係ないものと思ってた。

だけど、違うんだな。
これが。
良くわかった。



恋は人を盲目にさせるんだ。
本当、知らないうちに、

侵食されてる。

好きな人以外が、目に入らない状況。

誰にでもありえることなんだ。


だって、現に。
いま、

俺は、殿しか目に入らないし、
入れたくないし、

入れて欲しくない。


これを何と呼ぶかなんて、
判りきってるけど。

独占欲に駆られて



あんたに夢中。


これって、さ。






やっぱ、恋の…所為だよな?






END
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