BACK

□明かりの痛み
3ページ/4ページ

「どうした?奥に入れたら、更にココが欲しがってしまったな」

ふふ。
笑える姿だ。

「くっ…て、め…っ」
「そんな口を聞いていいと思っているのか?」


屈辱に塗れた顔。
私は、お前のそんな顔が好きだ。


そんなお前に、キスをしてやれば。


ギリッ…


「ッ」

唇を噛む等、
小さな抵抗だな。


バシッ!!!

「っく」

叩いた頬が、赤くなる。

お前など、
私の玩具に過ぎないというのに。
そんな反抗など
赦さない。


「私に、弄られることがそんなに屈辱か?」
「っ…あぁ、く」

そそりたつ、自身に手を這わせ乱暴に扱いてやる。

痛みに、棗の顔が歪んだ。



「私にされることが屈辱ならば、もっと屈辱的なことをしてやろう」


「や…ぁ、ゃめっ…!!!」


もう遅い。

乱雑に抜き去った玩具の代わりに、私のモノを突き刺してやれば、棗の身体がビクンとはねた。


「っくあぁぁっ」

「いい声だ」



私の心に届く声。
私の心を見たす声。


お前と私はやはり似ている。

お前を痛めつけるだけで、
私に代わりが出来たようで


安心するのだ。

痛みから、

解放される。
私は痛みを感じなくなる。


「やめっ、抜けっ、あ、ゃ…はッ」

ゆさぶり、打ち付けるたびに、軋む、古いベッド。

何度も何度も棗を痛めつけたこのベッドは、回を増すごとに、激しく軋む。

行為を象徴するかのごとく、なり続け、

緩急をつけるたびに

不規則に揺れた。



お前を今、誰が抱いているか判るだろうか?


私が抱いているのだと、
肌で感じているか?



感じれば感じるだけ、

深い痛みを伴えばいい。
その代わりに私は、


解放を得るのだ。



明かりを受けても痛みはないのだ。

私に自由が与えられればられる程、

お前は落ちていく。
荒んでいく。


お前の眼に、

色がなくなる。

それが楽しくてしょうがない。

私の楽しみなのだ。
お前を、痛めつけ


自分を解放する行為。


そうだ。

私の代わりなのだ、お前など。
お前など、外にはいらない。
いらない。
お前だけが、のうのうと生きるなんて赦さない。

だから、同じ闇に引きずり込んで。
私と同じ痛みを植えつける。

この闇こそが、
生きる場所なのだと。

明かりを浴びる痛みを知ればいい。
そして、私が外に出る。

私を、もう誰にも
幽閉などさせるものか。


私の代わりならもう出来上がるのだ。










あぁ。
なのに、何故だ。


未だ、月の明かりも
太陽の明かりも、


私には、身を裂くほどに痛いのだ。

この、小さな黒い猫が

自由を失くすたびに、

痛みは増す…


明かりに照らされる、

痛みが…





END
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ