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□ある日の出来事
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(こういうとこ、好きなんだよね)

割と何でも知ってる耳年増の割りに、こういう可愛い反応ばかりする。
そこが、大好きなのだ。

「でも、だめ。まだイカせてあげないよ。」
「なっ!なんで、だよっ」

もう、イキたくて堪らないのに。
そんな表情をすれば、流架は思い切り足を折り曲げて、今度はペニスよりも更に下の、一番恥ずかしい部分に唇を押し当ててきたのだ。

「流ッッ」

制止しようとした声が上がる前に、流架の温かな舌が襞を割って入ってくる。

「ひっ」

舐めるようにつつくように、何度もそこを攻め立てれば、棗の身体が小刻みに何度も震える。
その様子と言ったら、絶景以外の何者でもない。
何度も何度も大粒の涙が頬を伝い、ソファーにしみていく。

「ば、かッ…おま、えが、したいのに…っ」

なんで、俺ばっかり。
そう言いたげな声に、流架は笑う。

「棗の乱れる姿見るだけで、俺は十分満足だもん」

と、恥ずかしい事を恥ずかしげもなく言われると、もうどうしていいのか判らない。
上り詰めてくる快楽が痛みを伴う。
イキたい。
そう思うのに、射精できなくて、身体の奥底がずくずくと痛んでくるのが判った。
そして、とても何かが欲しくて堪らない。
奥の奥まで突き進んできて欲しいそれ。
棗はそろそろと手を伸ばし、流架の髪に触れた。

「るっ」
「なに…、なつめ」
「もっ…、い…か、ら」

欲しい。
奥の奥まで突き上げて欲しい。
快楽に身をゆだねたい。

「おま、えが…る、かが…ッ」
「うん、俺が…?」

「ほ、し…い」

縋るような懇願するような声に、流架の理性を保っていた糸が切れる。
こんな、声。
こんな表情。
見せられて留まっていられる人間なんていないだろう。
そんなぐらいに、魅力的で情緒的。

「棗ッ、棗ッ」
「あ、流架ぁッ」

殆ど勃起していた自らのペニスを棗の蕾に押し付けて、勢いに任せて貫いた。

「あぁあッ」

悲鳴にも似た声が棗の口から漏れ、噛み付くようにキスを送りながら不自然な形で抱き合う。
腰を浮かせ何度も何度もピストン運動を繰り返し、乾いた音が卑猥な音に変わるまで時間は要らなかった。
ソファーの軋む音にあわせて二つの幼い身体は揺れ、貪りあう。
キスをしても足りない。
噛み付きたいくらいに、愛してる。
このまま、二人溶け合って混ざれたらどれだけいいだろう。
そんな思いが交錯する。








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