古の灰の空
刻は巡りて、人は変わりて朽ちて生まれゆく。
刻は平成。諸行無常、荒耶式の理に望まずとも反した存在の少女。
悠久にして永劫、終わること無き終わりに囚われた彼女は、人の身に在りながらセカイの理に仇なす青年に出会う。
氷鬼の如き内心に宿るは悪意と憎悪の煉獄の業火。背負うは親殺しの十字架と終焉を望む咎、そしてそれらを嘆くことすら許されぬ業。
少女は彼に、彼は少女に好奇を抱き、そして、決して相容れぬ反存在、鏡の向こうの自分を嫌悪し羨望した。
そして、終わりが始まり、終わりが終わる。
終わりを迎えられなかった少女と、始まりを知らない青年の小さく確かな神話が、ここにただ、記される
始めに
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---古の灰の空---


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