短編

□お帰り
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いつからだっただろう。

お前が側に居て、それが自然で当たり前で、だから出張で家を空けると言われた時もそんなに慌てなかったんだ。

銀「おう、行ってらっしゃい!気ぃつけてな」

そんなありきたりのセリフでお前を見送って、、俺は久しぶりの一人身に胸躍らせた。

少し、背中が寂しかった以外何事もなくあっという間に過ぎた一週間。

帰ってくるお前にまた心躍らせて「今晩は何食わしてやろう」ってニヤニヤしながら調理場に立って夕飯作って。

電話の感じではかなり溜まってるんだろうから今日はスルんだろうな。。

なんて考えながら身体がムズムズするのをなんとなくやり過ごしてた。

――カンカンカン…

いつもの靴音、お前が家に来ると分かるんだ。







だから―――
同じ靴でも違いが分かっちまうんだ。

沖田「お邪魔しやすぜ。旦那、」

上がってきた沖田君の手にはバスケットボールが入りそうな、大きさの正方形の箱。

沖「――○○さんです」

言葉が頭に入らない。

彼は何を言ったんだろう。

でも、分かるんだ。

コレはアイツだって。。

分かっちまうんだ。

だって、ほら、ほのかに煙草臭い…アイツのいつも吸ってた煙草くさい…

銀時「お帰り、トシ………」

零れた涙は誰のなのか、今はまだ分からない。
でも、今は抱かせて、その小さな箱を。まだ理解は出来ないけれどその箱は愛しいと思えるから
その箱を俺に抱かせて。

銀「お帰り」

抱き締めたら煙草の匂いが俺を包んだ。





END

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