過去拍手文

□ごめん ありがとう
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「………」

目が覚めた
目の前には眠る、ケイスケの顔
スー、スーと規則的な寝息を立てている


二人とも裸


「……っ」
アキラは昨日の行為を思い出し、頬を赤らめた


………昨日もケイスケに、あられもない姿を晒してしまった


恋人同士なんだから、恥ずかしいことじゃない

ケイスケに何度も言われたし、自分でもそう思うときがあるが、やっぱり羞恥が先立ってしまう


「…………」


でも、嫌じゃない
嫌なわけじゃない

…いや、こんな言い方駄目だ



―――…ケイスケの事が、好きだ 愛…してる



ケイスケみたいに、すぐ「好き」とは言えない

それは、もう俺がそういう人間だからとしか言いようがない


ただ、無性に


自分もケイスケが「好き」だと伝えたいときがある



たとえば今


ケイスケの寝顔を、こんな風に見られるのはトシマでの一件があったからだ


幼馴染みという関係の変化…ケイスケの想いを聞いた自分


あの時は、正直流されてしまった部分も少なからずあったように思う

でも、ケイスケの想いが真っ直ぐで、それが心に響いたのは確かだ

そう――…、あの時の思いだ「嫌じゃない」は


それが今は一緒に暮らして、笑い合って「愛してる」になった



「お前見てると、イライラする」

いくら心が穏やかでなかったにしても何も考えず、ケイスケを傷つけた自分は、まだまだ子供だった


肉体的にも精神的にも


「俺、アキラを守りたいんだ」

俺を心配してトシマに乗り込んでくれたケイスケ

あの頃のケイスケを思うと、胸が締めつけられる
愛しさが込み上げてくる



――…ごめんな、ケイスケ


寝ているケイスケの頭を撫でる
短く堅めの髪の毛が、わしゃっ、となる


今更、心の中で何年も前の事を謝っても仕方ない

けれど謝りたかった

お前を傷つけたこと


そして伝えたい




―――…自分だってケイスケに負けず劣らず、好きだということ




アキラはケイスケの、こめかみにキスをおとした


起きてしまわぬよう、努めて軽めに



それでも、溢れる想いが伝わるようなキスを


唇を離す

ケイスケは相変わらず眠っていた

愛しい寝顔にアキラは頬笑んだ



そして



アキラは二度寝することにした



END

ケイスケにメロメロアキラを書いてみました。。

拍手ありがとうございました!!(^^)


2008.08.14
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