□温かさに、くるまる。
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今日は休日、日曜日。

アキラとケイスケは朝から少し大掛かりな家の掃除をしていた。

「アキラー、そろそろお昼にしないー?」

洗面所の掃除を終えたケイスケがアキラに呼び掛ける。せわしなく動いていたら、いつの間にか正午を過ぎていた。

「って、あ…あれ…アキラ……?」

そこに窓拭きをしていたはずのアキラの姿はなかった。

「…アキラ…ついさっきまで、そこに居たのに……あれ?どこ行ったんだろ……?」

首を傾げながらケイスケはアキラがいた窓際までやってきた。すると…

「……あ」

アキラは、いた。
窓から少し離れた畳の上で……眠っている。
先ほどは襖が死角となって見えなかったようだ。
アキラは体を丸めて寝ていて、自分より小柄な体が更に小さく見えた。
ケイスケは微笑ましく思った。

「…かわいい。疲れて寝ちゃったのかな」

思わず笑みが零れる。
吸い寄せられるようにケイスケはアキラに近寄る。
―――…が、はたと気が付き、ケイスケは踵をかえした。





「よいしょっと」
ケイスケはアキラの横に腰をおろした。

胡坐をかいた上で、頬杖をついたケイスケはアキラの眠る顔をみつめた。


「……」



――…穏やかだなぁ。


ケイスケの心にそんな気持ちが降りてきた。
時間も空間も休日の穏やかな流れに溶けている。

スヤスヤと眠るアキラの肺が呼吸をするたび柔らかく浮いて、沈む。

無防備に眠ること。
アキラが警戒せずに、ゆっくりと眠れること。
…良かった。
そして嬉しい。俺の前で、そんな風に…ありのままでいてくれること。

愛しくて仕方がない。


気が付くとアキラの髪を指で梳いていた。

「…っ!」




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