ANOTHERs
□白いもの[まるマ]
4ページ/10ページ
ユーリは棚に並んでる作品を眺めながらそう応えた。
「気に入った物があれば持っていくがいい」
「………………いや、いい。」
ややあって返答があったものの、気にはしなかった。
さっさと仕事を片付けなければならない。
片付けて……
「おい」
書類の訂正個所への書きこみをしながら声を掛けた。
「ん、何?」
ユーリは一通り作品を眺めてくるとこちらに戻ってくる。
「白いもの……というと何がいる」
この際、他者の意見も取りいれてみるのも良いだろう。
「白い……ものねぇ……」
白いもの白いもの……と口の中で呟きを繰り返すと、パっと顔を明るくして答える。