―夢―
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家に帰る途中も
ずっと小瓶の中の
カケラを見ていた
気になって気になって
どうしようもなかった
もちろん
家に着いてからも
カケラ本体に触りたくて
小瓶の蓋を開けようと
引っ張ってみるも開かず
「なんだこれ」
試行錯誤のうえ
やっと蓋が開き
カケラを出すため
逆さまにしてみたが
「出てこない…」
どうなってるんだ?
カケラの大きさが
小瓶の口より大きく
中に入れることも
もちろんできない
「やっぱり…変」
仕方なく蓋を戻し
中の変な物体
ではなく、
カケラを眺める
濁った青色
お世話にもあまり
綺麗とはいえないが
僕はこの色が好きだ